【2144話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2144.混沌時代
『もう話さなくて良いのだっ! すぐに『回復』を掛けてやるからなっ! おいペトラっ!』
『何? お兄ちゃん』
『パダンパが辛そうなのだ! 『回復』、いや『高回復』を頼むのだぁっ!』
『いえいえ、かく言う私も本心では醜いなぁ、ってね…… 実の親が、ですからね? 最近は、正直な意見は本人の今後の為にもなるかなって、ね? 思っていたんですよね』
『親から見ても? その…… 駄目なの?』
『あー全然だよ、レー点だね、寧ろマイナス、まであるね』
『そんな事無いわよレオ兄さんっ! カタボラも安易に肯定しちゃ駄目じゃないっ! 失礼でしょ?』
『叔父さんっ! オレの事より大変なんすよっ! 兄貴やガト様が危ないんすよっ!』
「あの…… そんな風に聞こえちゃったのならゴメンナサイ…… ラマス、他種族の事とかちゃんと判っていないのに軽率で…… えっとぉ……」
『まずはお前自身の回復が先なのだ! おいっペトラっ! 『高回復』を急いでくれっ!』
『ンガ? 僕、悪かったの…… しゅん……』
『え、あ、ちょっと、待って! 良いカタボラ? 自分が落込む前に傷付けてしまった相手の気持ちを考えなきゃ駄目じゃないっ! でしょ? 世の中はすべからず相手があっての賜物なのよ? でなかったら皆がてんでんこで自分勝手なカオスに――――』
『いやいや、真っ当な意見こそ必要なんだよね…… なのに私自身が変に気後れして育てた結果がこんな増上慢に…… 片親だからって変に意識し過ぎたのかな? やり直せる物なら…… ねっ……』
『茶色の閃光が突然襲い掛かって来たっすっ! 目で追う事すらも出来無いまま…… くっ! 兄貴ぃっ! ガト様ぁっ!』
『そうだよね…… ごめんなさい、レオニードさん……』
「そんな事無いですよっ! こんなに大きく逞しくお育てになられてぇ…… それに、えっ? お独りで育てられたんですか? えー、ええー、凄っい! ラマス、尊敬しちゃいますぅっ!」
『そう! そうやって一つ一つちゃんとして行かなきゃトンでもない大人になっちゃうからね! 悪いと思ったんならまず相手に謝るっ! 判るでしょ? 辛かったのは相手なんだから、ねっ?』
『パダンパっ! パダンパ? おいっ、しっかりするのだっ! おいぃっ!』
『いやまあぁ~、恐る恐る試行錯誤の連続でしたよ~、ははは~』
『うんっ! 判ったよペトラっ♪』
「ご謙遜ですね♪」
『良い子ね♪』
『ぺ、ペトラっ! こっちこっち! 大至急『高回復』っ! いやっ、『完全回復』なのだぁっ!』
『え?』
「なぁに?」
『グガ?』
『あのねギレスラお兄ちゃん…… 子供の情操教育はとってもデリケートで大切なんだからっ! 後でとか、こっちを先とかあり得ないのよ? 待った無しなんだからねっ!』
『いや、だが、パダンパが白目を剥いたままで…… 息をしていないみたいなのだぁ……』
『えっ?』
「えぇ?」
『倅がっ? いつの間にっ!』
『ンガァ!』
『は? ギレスラお兄ちゃん、早く言ってよぉっ! 『完全回復』』
『言っていたのだが?』
「えっと…… 暖めますか?」
「熱っぽいなら冷ましますけどぉ……」
『プップーッ!』
『ジジッ?』
『何じゃい? 煩いのうぅ……』
如何だろうか? これが後に語られる『混沌時代』、その現実なのだ……
この場面では運良くパダンパの命はとりとめられた、良かった……
しかし、ここ以外ではどれほど多くの無辜の命が犠牲になった事だろう、私、観察者は流れ出る涙を禁じ得ない。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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