【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1197.スタンド
効率が良いサポートのお蔭もあって、元々大量にあった魔石の殆どは思いの外早急に数を減らして行き、自分の周りの空魔石がなくなった事に気が付いたグフトマは、ラタトスク達に対して丁寧に搬送の指示を出すレイブの姿に視線を向けて呟きを洩らす。
「ふむ…… なるほど、大した物だ」
この小さな声を聞き止めたレイブは振り返りつつ言葉を返す。
「何です? 太師匠」
「いや、どれ私も運ぶのを手伝おう」
「とんでもない、匠の皆さんはお休み下さらないと――――」
「良いから良いから」
「は、はぁ」
恐縮して制止するレイブの声に構う事無く、グフトマは笑顔のままで立ち上がると気楽な感じで歩み寄ってくる。
にしても、この短時間の間に魔石充填できるメンバーを匠と呼び始めているとは…… いつもの事ながらレイブの切り替え速度には感心しかない。
近付いたグフトマの目の前で、レイブの頭に小さな影が飛び移るのが見えた。
『ギギッ!』
「ん? ああ、テューポーンさん、じゃなくて巨匠! 魔力切れですか、どうぞどうぞ」
充填組の中で大先生扱いだったテューポーンはレイブ的には巨匠みたいだ……
確かに覚えたての面々だけでなく、ペトラやギレスラに比べても充填速度と言い、出来栄えの均等さと言い、文句が付けられない程の技術力を誇っているのがテューポーンである。
まあ元来が『百頭の魔』とか言われる位の大物悪魔なのだから当然と言えば当然、そうなのだろう。
とは言え、今現在身をやつしているのは小さなバッタである。
おのずとその身に内包出来る魔力も少量になるのだろう、先程からちょいちょいレイブに縋り付いては本人が使う予定の無い魔力を代わりに補充しているようだ。
レイブの体を流れる魔力は、長年のぐるぐる修行のお蔭で他に例を見ないほど濃密に練り上げられており、同じスリーマンセルのペトラやギレスラと比してもその全体量は桁違いである。
これは言われた事、やると決めた事を愚直に繰り返し続けられる本人の性格に因る所が大きい。
魔力操作に長けるが燃費効率が悪いテューポーンに、大容量のストッカーだが不器用で充填作業に加われないレイブ、中々に適材適所だと言えるのではないだろうか。
『ギギギッ!』
「満タン入りましたー! 又のご利用をお待ちしていまーす!」
元気も良い、これならお客も良い気分なのだろう、小さな羽を羽ばたかせて充填場所へと軽やかに飛び戻っていく。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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