【2301】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2301.お日様は笑っている
そして旅立ち、ってか極東からの脱出の途上、河童に背負われながら日本海上で何か物凄い魔力で出来た壁に行く手を阻まれ、持ち前のガッツと闘魂を込めて繰り出した必殺の張り手、首尾良く砕け散ったバリア的な奴が消えるのと同時に、ここまで身を任せていた河童の消失…… 洋上に二度と見たくないと思っていた太陽の光が背浮きの眼に容赦なく紫外線を降り注がせる。
「ちきしょう! 笑ってんじゃねーよ!」
「縦綱、ってかお師匠、どうかしましたか?」
「アイツずっとこっち見て笑ってやが…… いや、何でもない、俺自身のソウルが見せたファントムに過ぎないんだ…… そうだ、きっとそう…… そうであってくれっ!」
「し、師匠? 大丈夫ですかっ?」
「あ、ああ、まだ大丈夫だ、と思う…… 辛うじて、だがな…… にしても喉が渇いたな……」
「確かに、ですね…… これ? こんなに水があるんですけどねぇ…… やっぱ駄目なんですよね?」
「あ? 駄目だってばっ! 天空海爺さんが言ってたじゃんかっ! どんなに喉が渇いても絶対飲むな、海舐めんなよっ! ジャスツッ、アクアワールドォっ! ってさ」
最後の世界宣言は何なのか? ああ、お爺ちゃんだからか…… ならば良し。
「でも…… ボケてましたけど……」
「ちょっ、おまっ! そこは優しげにオブラート、だろう?」
「ええ、でも、アルツで日常生活全般、至る場面でモウロック、でしたよ? ね?」
「ま、まあな」
どうやらこの言い方ならソフティらしい、メモっとこう。
そこまで話した後、再び黙り込んでいた二人だったが、やがてレイブが言葉を再開する。
「ちきしょう! ずっと笑いやがってぇっ!」
せめて出発前に精神を安定させるべきだったんじゃね?
そんな妄執に囚われたレイブにシュカーラは返す。
「……ちょっとだけ、ほんの少しだけ飲んでみません?」
「えっ? あのファントムをお前が、飲む、だと? いや、それはそれで結構ファンタジー的なってか叙事詩っぽくもあるけど…… 可能なのか?」
太陽をか?
「いや、ファントムの方じゃなくて海水の方ですってばっ! 私が先に試しますんで!」
「えーでもなー、何か俺の中の何てーの? こう、ヤメレ、って警鐘をガンガンしてるってーの? 何だろ? ゴーストって奴なのかなぁ?」
それ生存本能とかだと思うよ?
「大丈夫ですってっ! 誰も見ていないですし絶対内緒にしますからっ! ね? ねっ? 少しだけ! ちょっとだけ試すだけ試してみましょーよー!」
「うーん、でもさ、ゴースト、がなぁ」
生存本能な。
毒蛇のシュカーラは別の生存本能、恐らく間違えている生への執着が行動を誘発させる。
「もう無理っ! 頂きまっすっ!」 パンっ!
「お、おいおいシュカーラ! ゴーストがぁっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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