【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1698.居場所
思い掛けず信徒をゲットしたサタナキア。
結構な上機嫌ではあるが、悪魔や魔獣として物の役に立つには随分時間が必要そうだが、良いのか?
それに訓練された兵士や騎士、腕利きの猟師とかなら兎も角、そこらの一般人ではレッサーにもなれないのでは無かろうか? ペットのワンニャンや大人しい家畜なんかは論外だろうしな。
少し落ち着いた所でその事に気が付くサタナキアであったが、この段階ではウキウキ気分の超ご機嫌で、中身の失せた錫人形を大事そうに抱えるヨハンに促されるまま、ニャンコを従えて地下を脱し、改めて領主の居館でゆっくりする事としたのである。
地上の小屋を出たヨハンは鉄格子の前を守っていた二人の衛士に対して随行する様指示を出した。
既にここには守る者が存在しない、それが理由だろう、判り易い。
屈強な二人は短く答えて主の背に従ったが、驚いた事にこの衛士は兄弟、しかも一人は女性、つまり兄妹だった事実が判明した事である。
兄より長身で装備の上からも筋骨隆々な妹は殊の他無口であったが、僅かな返答の声音は確かに女性のそれであった。
領主のヨハンが無二の宝を守らせていた事からも判る通り、厚い信服を受けていた彼等はそのまま屋敷の中へも同道して来た。
この間中、まだ日が残っていた時刻ではあったが、猫になったカーミラは特段燃え上がったり叫びながら灰と化す事も無く、只少しだけ眩しそうにしながらなるべく日陰を選んで付いて来たのである。
一行が歩を止めたのは豪奢な応接室に到着してからであった。
遠慮の欠片も見せずに長いすに腰掛けるサタナキアに対して猫のカーミラは椅子の脇でお利口にお座り中だ、過去のトラウマでも発動しているのか微動だにしていない、成長を感じる。
領主のヨハンはそれっぽく召使いに言いつけては誰かを呼ぶように指示したりしている、顔見せかな?
「今しばらくお待ち下さい、神の母よ、直、我が家族と屋敷の主だった者が集まりますので」
「ふーん、そうなの」
やっぱり挨拶だったな、時代や場所を問わず最初ならそう来るよな。
サタナキアは、何か飲みたいな、なんて思いヨハンに求めようとしたのだが、そんな間も無く応接室の外から声が掛けられた、女性の物である。
ヨハンが入室を促すと静々と入って来たのは彼の家族、妻と四人の子供が並んだ姿であった。
全員キチンとした身なりだ、サタナキアは驚いていた。
――――呼ばれてこの短時間でこの姿とは…… なるほど、全員ちゃんと朝から起きて支度済みだったって訳か…… いやはや恐れ入った……
魔界での自分の自堕落な生活習慣を改めよう、そう思った瞬間であった。
まあ悪魔が自堕落で何が悪い、そう言ってしまえばそうなのだろうが、一応、なんちゃってとは言え魔神王様だと周囲は思っているのである、多少の体裁は必要なのだろう、頑張らなくちゃな。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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