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【1844話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1844.改竄


 個が持ち得る記憶とは大変あやふやな物だ、洗脳や記憶操作など施さなくとも結構頻繁にコロコロしていたりする。
 自分で吐いた嘘をいつの間にか信じてしまったり、都合が良い方向に細部をいじってみたり、ストーカーなんかの一方的な妄執や独りよがりの逆恨みなんかもその一種だったりもする。

 生涯のほとんどを閉じられた空間、クルン=ウラフの結界内で過ごして来たミロンには、外見を褒められた経験が決定的に足りていなかった、それがこのご都合主義の改竄かいざんに繋がったのでは無いだろうか? 哀れである。

 これより後、気が遠くなる程の長期間、ミロンはレオニードが自分に憧れて困る、そんな与太話を吹聴ふいちょうしてまわる事になる、まあ、ニンゲンの歴史なんかも大差無いから今更なのではあるが、それ等を正史だ偽史ぎしだとか言って真偽を言い争ったりするのははなはだ滑稽だったりしてちょっと楽しくもある。

 この時点のレオニードには、将来の鬱陶しさよりも重要な直面する大問題があった。
 大問題は続けて発せられたギレスラの言葉から始まった。

『それで、どこまで飛ばせば良いか、だな』

『そっすね?』

「お任せします」

『じゃ、じゃああそこはどうだい? ほら、家族なんだからとか? パダンパパなんだから尊敬して大切にしなきゃとか? いっそ奉戴ほうたいして神の如く敬おうとか言ってた辺り! ね、そうしとこうか?』

 こいつも結構改竄されているみたいだな。

「あったか? そんな件」

『あったじゃんっ! ほらぁっ! レイブ殿が死ぬちょっと前にさっ!』

 死んではいないぞ…… 重度な改竄の気配がする。

「どうです? ギレスラ様」

『ふむ、それで良いかなぁ』

『駄目よ! そんな所からじゃ全っ然っ駄目駄目よっ!』

『ペトラ? ではどこが良いかお前の意見を聞かせるのだ』

 おお、ちゃんと激論を交わしている、この劇団は伸びるぞ! どこへ向かってかは皆目見当が付かないけどな。

 ペトラは胸を張り捲っていつも以上に堂々と答える。

『あのね、中断したストーリーを再び続ける、それは本来再生不可能な試みなのよ? 繋げるって行為自体が物語への冒涜、そのものなのよね…… 言えば断裁した布の紋様を再現する愚に等しい行為なの…… 不自然に紡がれた模様からは見る者に何も伝える事等出来ないわっ! 別の表現で言えば大河を途切れさせ汲み上げた水を下流に流したとしても、それは既に元の流れ、悠久からの営みとは違う物となる、そうでしょう? 全くの別物なのよ…… ……でもね、……だからこそ継続を求められそれを引き受けたアタシ達には常を上回る努力、物語り全体の主旨を伝える為に一層の頑張り、奮闘、尽力、精進…… そして邁進まいしんに励行、つまり一所懸命さが求められているのよっ? 又、そんな姿勢と渇望で取り組まない限りっ! 物語り、いいえ本来大河がもたらす筈だった恩恵、ドラマは決して伝えられない! アタシはそう思っているんだけどぉっ?』

 なるほど、大したモノだ…… 観客もいないのにな……



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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