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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1207.ケセラセラ


 グフトマの声には元気付けようとしているのか、多少強引な明るさが含まれる。

「しかしレイブはついてたじゃないか、六十日の猶予があるんだし、昨日の話によると行くんだろ? 獣の国クルン=ウラフの森と竜の里へ、だったら丁度良いじゃないか」

「うえぇ、え? 森王んとこと竜王のとこですか? そこに行ったら何だって言うんですか? うえぇっ!」

 エズき続けるレイブに最長老、アウゲイアスが答える。

『その二つの場所にはコインが有ると言われておるんじゃよ、な、元々行く予定だったのなら丁度良いじゃろう?』

「えー、俺としてはさっきの二つを取り出して欲しいんですけど…… 是非」

「『死ぬぞ』」

「えーえーえーっ!」

 レイブの抗議の声は当然だと思う、グフトマもアウゲイアスも致命的に足りていないのだ、例の奴が。
 レイブも同様に思ったのだろう、小声だがはっきりと聞こえるように愚痴り出している。

「大体そんなに危ない物を他人に渡すっておかしいんじゃん、最低限の礼儀として許可取る位は常識じゃないのかよ、良い歳したじじいが二人も揃って口足らずにも程があるじゃんか…… 俺はこんな物欲しく無かったってのに」

『じゃがの、十二個のコイン全てを集めた者にはとてつもない力が与えられる、そうも言われておるんじゃぞ! 良いじゃろ? 圧倒的な力だそうじゃぞ? な、グフトマ』

「え、ええ、確かにそう言われているみたいですね、なんでもニンゲンの成しえなかった事が可能になる力とか何とか」

「うわ出たよ、あやふやな効果とか力とか言われちゃったよ…… 何だよそのフワっとした設定って、死ぬのは決定なのにさ、チィっ!」

『すまん、なにぶん言い伝えじゃから』

「私自身も聞いただけなんだよ」

「あーもうっ! だったら最初に聞けば良いじゃん! コインが欲しいかってさぁ! 聞けましたよね? なんなの? ホウレンソウとか知らないわけですか?」

 それなっ! うんうん、例の奴だよね。

『ホウレンソウ、ってなんじゃ?』

「さあ? レイブ、ホウレンソウって何なんだ?」

そこからか…… 仕方が無い、レイブが説明してくれるだろう。

「報告、連絡、相談、ですよ! 独断や思い込みで行動する前に周囲、特に当事者には事の次第を説明して同意を得る事位常識でしょ! ビジネスの基本、いいや、責任ある立場ならもっと重大でしょうが! 最低限のマナーだと思いますよ!」

 確かにそうだ! ん? ビジネスにマナーだって! なんだってこの時代のほぼ野生児レイブがそんなキーワードを? 不思議と言うより不自然じゃないか?

 そんな私を差し置いて、意味も判らずに落込んでいるグフトマとアウゲイアスを哀れに思ったのか、ペトラとギレスラがレイブを慰めるように言う。

『レイブお兄ちゃん、気持ちは判るけど落ち着きましょうよ』

『ガッ、ペトラの言う通りだな、考えようによっては悪く無い話かも知れんぞ? 凄い力とか良いじゃないか! 我も力を貸すから、な、ペトラ?』

『勿論よ! 元気を出して残りのコインを探しましょうよ! ね、前向きに行きましょ?』

『おう! 前向き前向き!』

「ちっ、他人事だと思いやがって……」

 すっかりすさんでしまった心は簡単には癒されないようだ。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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