【2045話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2045.大明神
息を飲まざるを得ない対決を前に一同に緊張が走る、特に男性陣は深刻な表情を隠そうともしていない、判りみが深い。
ガトは両手の指を組みながら聞く。
「幾らレイブでもやっぱり無理よね? 一玉かな? 二玉行っちゃうかな?」
勝利を願っているばかりでも無い様だ、期待はそれぞれだからなぁ、仕方あるまい。
「せめて片玉だけでもぉっ! 祈願っ! 片玉大明神っ! の、巻ぃーっ!」
ハンペラは既に別の遊びの域に達した様だ、自由で羨ましいなぁ。
一様に足を窄めてクネクネしている男性陣からパダンパが聞く。
『だ、大丈夫っすかね? レイブ叔父さん……』
即座にこの言葉に反応したのはギレスラだ。
『ん? 何の事なのだ?』
『いや、負けたら取られるんすよね? 玉……』
『ああ、そうなのだろうな、それが?』
『えっ! いや、あの、えっとぉ……』
『何なのだ?』
首を傾げてチンプンカンプン、困ったニーズヘッグに豚猪なペトラが助け舟を出す。
『あれじゃない? パダンパはレイブお兄ちゃんが負けると思っているんじゃないの?』
『ガッ! そ、そうなのかっ?』
『そうなんでしょ? アハハ♪』
『え、だって、アレ全部敵だって…… 流石に無理でしょ?』
『ねっ?』
『な、なんとっ! やっぱりパダンパって猛烈に馬鹿だったのだ…… 可哀想に……』
このやり取りには居並ぶ全員、ギレスラとペトラ、それにバッタのテューポーン以外の全員が目を剥き捲って驚いていた、んなの気にしていないペトラが言う。
『ほら、始まったわよ! 良く見ておきなさい♪』
なるほど、鏡面の中ではレイブと大き目のカッパが正対して手組みを行おうとしている。
どうやら皆さんご存知の仕切り線を挟んで時間一杯、はっきょい! って感じでは無いらしい。
二人を囲んだ赤腹ドッチも静まり返っている、つーかそもそもしすさん配給の映像には音声が無い、所謂サイレントだが、そこはそれ、なんとなくそんなムード的である、お判り頂けるだろうか?
見守るこちら側では正しく無言、誰かが唾を飲み込む音だけがやけに大きく響いた、次の瞬間、
『あ! え? お…… 叔父さん、す、凄ぇ……』
パダンパの発した声は周囲が合わせた感嘆の息と重なったのである。
直前にレイブと手組みをしたカワタロウは既にそこにはいなかった。
正確には一部だけはそのままだった、レイブに掴まれたままの両手、水掻きが鮮やかに輝く掌だけが残されて他の部位が忽然と消え失せていたのである。
『今のは前蹴りを瞬間に数十発入れただけなのだ』
『そうね、形態模写『地団太ラマスちゃん』ね、にしてもカッパ、脆いわね』
『濡れているしふやけてるのかも知れないのだ』
『なるほどね』
当たり前の様に説明するスリーマンセルメンバーに、それ以外のメンバーはポカンとしたまま固まっている、判るぞ、ネーミングセンスだよな…… 私、観察者は常々…… ようこそ、我がクラブへ。
しかし、相変わらずレイブ自体の観察は勿論、経験も出来ない。
やはりバアルの特殊領域内だから、そんな感じなのだろう、はっきり名前も付いてたし。
今は無事である事実とカッパに圧勝した結果を喜ぶべきだろう、うん、そーしよう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡