【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1512.魔神の爪跡
ガトの勢いは衰えを見せない。
「ううん、あの二人がメソメソしてるのはこの二匹のせいじゃないのよ! 感情の起伏が激しくなる一方なのよ! ここ何日かああやって泣いたり怒ったりしてるの! それをダソス・ダロスやキャス・パダンパがからかってばかりいるのよ! 見ていてごらんなさい、直に泣き止むから」
「へー本当かよ?」
「「きゃはははっ♪」」
「ほら」
「マジか!」
タイミング良く泣いていた筈のミロンとブロルの二人は脈絡もなく馬鹿笑いを始めた。
ガトが何らかのスキルでも行使したのでは? そう疑うほどにバッチリの呼吸である。
つい今しがたまでスキルの特殊性や有用性、それに物理法則を無視しているかと思うほどの強引さを力説していたレイブはジトっとした視線をガトに送るが、彼女の言葉はそれより幾分早く発せられる。
「あーだから集団を率いる存在や盤面をひっくり返せるキーパーソンなんかは依り代にしないって紳士協定が出来たってーのにぃ! 全く何を考えてるんだろ、あのポタポタ馬鹿めぇ! 頭の中までジメジメかびさせちゃってるのかしらぁ?」
ピクッ!
瞬間的に体を引き攣らせたレイブはそのまま真剣な表情を浮かべて硬直してしまった。
珍しく動ではなく静の不審さを見せるリーダーにスリーマンセルのメンバーは首を傾げる。
『どうしたのだレイブ? こいつ等の事が心配なのだろうが時間が経てば治るのだろう? それまで我等が気を付けておけば良いだけだろう?』
『そうよ、もし何だったらアタシが『回復』掛けてみようか? そうすれば頭の中のカビも消えるかもしれないし、ねっ?』
レイブはゆっくりと弟妹に視線を巡らせ、最後にガトに向けて聞く。
「どれ位掛かるんだ? 馬鹿が治るまで……」
ガトはキョトンとした顔を浮かべた後、少し首を傾げながら答える。
「そうね、場合によるけど二、三日から長い場合だと二、三年とかかしら? 一説によると依り代が強靱なほど馬鹿になる期間が長くなるとか聞いた事もあるけれどぉ…… 大丈夫よ! ここにはアタシ達がいるし、獣人達だって協力してくれるんだから! いざとなったらタロースを呼んで助けて貰う事だって出来るわよ?」
「に、二、三年……」
「あの二人だったらそれ程掛からないわよ! 勿論、ダソス・ダロスとキャス・パダンパはアタシがロセウムとロサエムを介して抑えておくから心配いらないし! グチョグチョ魔神の思い通りには行かせないわよ!」
レイブの声はスッカリ擦れ切っている。
「いや、そっちの魔神じゃなくてこっちの魔神、脳筋の方なんだけど……」
「えっ! そっちの?」
『脳筋って…… アスタさんか? アスタさんがどうしたのだ?』
『ジジ?』
それで通じる魔神様ってのも何だかなぁ~
『アタシ達だったら大丈夫でしょ? 依り代になったのなんてもうずっと前なんだし、別におかしくなったりしてないじゃない?』
いや、それは一概に大丈夫とは言えない気もするんだが……
そんな事は置きざりにレイブの表情は真っ青である。
「俺達じゃないよ、学院の奴等、ラマス達の事だってば…… あっちはズィナミやシエラ、それにエンペラやカゲト、キャス・パリーグ姉さん…… 暴れたりしてたら誰にも止められんぞ? あの辺りは……」
『そう言えばメルルメノクも憑依されたばかりだったのだ、馬鹿、なのか…… あぅっ! か、カタボラっ!』
『え、エバンガだって暴れたら学生達なんかじゃ止められないわよ! あああぁぁぁっ! ど、どうしよう! レイブお兄ちゃんっ!』
「むぅむむむむぅ」
『ジッ! ジ、ジジ……』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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