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【2233話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

2233.非常時

 ペジオはお猿だけを見つめて言う。

「まあ良いや、あのお猿にしよう」

 言い終えると同時に跳躍するペジオ、安堵の息を吐くペトラ、残念ながら今回は反面教師的なバフは利かなかったらしい…… まあ、続けていればいつか効果が出るかもな? そんな風に達観した心持ちになったペトラの目には、グラム・ランドの肩に飛び乗ったペジオがハンペラを拉致して城壁へと飛び戻る軽快な姿が映る。

『あっ! ああっ、お、お猿ぅっ!』

 叫ぶグラム・ランド、まだ固有名詞までは覚えてはいなかったらしい事が伺える、悲劇だ。

「ぐ、グラムーンーっ! イッヤーアァーっ! 陵辱りょうじょくされるぅー! 独りよがりでいびつな戦時的暴力に汚されるうぅーっ! ソスっ! 至急ソスッ求むーっ!」

「うるさいなぁ! 何もしやしないってばっ!」

「ソスッ! ソスソスソスゥーゥっ!」

 そす? ああ、SOSか、な? 言葉の乱れはいざと言う時、意思の疎通が出来ないからなぁ、皆さんもご注意頂きたい、そう願う私、観察者である。

 ギャーギャー騒ぎ立てるお猿のハンペラアグネスを壁上に降ろしたペジオは毛に塗れた胸元から一本のサツマイモを取り出した、途端に大人しくなるハンペラ、視線はガッチリスゥイートなポテイトに完全ロックである。

 サツマイモ、別名甘藷かんしょ
 痩せた土地でも育つ事から飢饉等の救荒作物として広範に普及したと言われる作物である。
 焼き芋や芋けんぴ、九里よりうまい十三里なんかで誰でも知ってる美味しさ満点のお芋さんである。

 特徴としては前述の滋養に欠く貧しい土地でも栽培可能な点と必要な耕作面積の狭さが有名な所だろう。
 食糧に窮した侍階級なんかが狭めの庭なんかで育てて糊口ここうを凌いだ、なんて話を考えるとここ、ウラジオストクの神殿内でも栽培していたのかも知れない事が推測できる。

 そしてこのサツマイモ、皆さんもご存知の通りお猿さんの大好物でもあるのだ。
 その証左に壁上のハンペラも夢中で齧り付いている、因みにゴリゴリと音が発する事から十里とか洒落た名前で呼ばれる事もあるのがこのオイモの特徴でもある。 ※九里に似ている事から八里半とかもあります

 二本目のオイモを平らげたお猿さんは、最早しわぶく事すらなく従順な下僕っぽくなっていた。
 ここで何やら耳打つペジオ、促されたのか額に手を翳して壁外に視線を向けるハンペラ。

「えっ? う、うそんっ!」

 大変判り易く何かを発見したらしいハンペラに再び何やら尋ねるペジオ。

「え、あっ、う、うん! 知ってる知ってるぅっ!」

 満足気に腰に手を当てて頷くペジオ、一方のハンペラは壁上に四つん這いになり元々大きかった声のボリュームを更にデカくして叫び始める。

「おーいっ! 皆ぁっ! 生きてたぁー! It has returnedぉ! リッターンドオォっ!」

だとさ。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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