【2148話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2148.親心って
改めて聞かれたレオニード、子供に聞かれた場合の大人として普段より慎重になるのはヒト科もネコ科も変わらない反応らしい。
真剣な表情に腕、いや前肢を組んで考えを巡らしながら答える。
『そりゃあ大切な我が子、だからかなぁ』
『我が子だと何で嫌なの? 立派になって皆に愛されるんだよ?』
『いやいや、今まで通りタイゴンとして生きて欲しいんだよ、機械とか道具とかさ、嫌じゃん』
『……プァ』
大型トラックのフロントガラスがウォッシャー液で濡れそぼる。
「でも今まで通りって寝てるだけでしょ?」
『今はね』
「そう今よ、正に今、皆が困っているのに役に立っていないじゃない? 進化して役立てた方が嬉しいんじゃない? 親として」
『えーいやいや、うん? どーなんだろ? あれ? そうなのかな?』
「ほら、戦場で大怪我して動けないから敵の囮になるとか? 仲間に武器を託すとかと同じ感じなのかなとラマス思っちゃったんだけど?」
『あーそんな場合もあるよねー』
『グガっ、脳死で使える部位を有効活用してくれる誰かに譲渡するとかもそうだよね?』
随分デリケートな所に行ったな……
『あー、なるほどぉ』
「ましてや死ぬ訳じゃ無いじゃない? エバンガだって元気に走っていたでしょ?」
『そうかっ! そうだねっ! 今の状態より役に立つんなら倅も喜ぶよねっ! 考えたら今まで余り役立った事も無かったし…… じゃあ思い切って目一杯改造しちゃってくれるかな? 今度は便利な道具に――――』
『親父っ! ちょ、酷くない……』
『パダンパっ? 起きちゃっ、グフン、め、目覚めたのか?』
『グスン』
やっとレオニードの覚悟が決まったというのに目覚めてしまったパダンパ、空気を読めない奴だが兎に角良かった、これで少しは情報を入手出来る事だろう、なによりだ。
パダンパは取り敢えず怒る。
『機械にとか、酷過ぎるだろっ! 親だろっ?』
まるでここまでの会話を傾聴していたかの如き言い草…… 眠っていた筈なのに何故だ?
『それはお前が狸寝入りだったからなのだ』
ギレスラ?
『ヤッベッ!』
そうなのか……
ペトラも続く。
『『診察』で眠っていない事は最初から予測出来たのよ、脳波的にθ波やγ波じゃ無かったもの! リラックス状態っぽいα波だったわ…… でも、ラマスとレオ兄さんの会話が進む内に徐々にだけど様子に変化が見られたの! 波形がβに、つまり軽い緊張状態への推移が認められたの…… 内容から察するにピンッと来た訳よ、こいつ起きてるわね、ってね!』
『くっ……』
『その予測を耳打ちされた我はペトラと共に成り行きを見守る事にしたのだ…… 注意深く観察していると結構判り易かったのだ! 薄目で周囲を伺ったり良い感じの所で生唾を飲み込んだり…… 精度としてはお粗末極まりない、そんな低レベルの狸さんだったのだ』
『…………』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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