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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1136.アンエクスペクト


 ギレスラとペトラのやり取りを聞いていたレイブは、俯いたまま激しく自分の左腕を掻き毟りだしたのである、ああっ、折角アスタロトが治してくれた腕が真っ赤な血に染まってぇ……

『ちょ、ちょっと! 止めろよレイブっ!』

『プ、『微回復』…… レイブお兄ちゃん?』

「う、うう、ううううっ……」

 遂に堪え切れないで嗚咽混じりの泣き声を発し始めてしまったレイブである。
 ギレスラもペトラも、事の顛末に予想の欠片かけらもつかないまま、只オロオロと見守る事しか出来なかったのだ。

 しばらくすると、ぽつぽつと、酷くたどたどしい口調ではあるがレイブは語り出した。
 光影の岩窟の凄まじい能力の事、テューポーンの雄々しい最後、そして自分達スリーマンセルに後を託して消えたアスタロトが望んだ今後の行動についてである。

 ギレスラの声と口調はいつもより尊大さが消えている。

『今出来る事を一所懸命に、か…… そうか…… そうだね……』

 ペトラは紅潮させた鼻を兄達に向けてやる気に満ちた声だ。

『ならアタシ達が頑張らなきゃね! 折角貰った命だもんっ! 精一杯やって体の中で休んでるアスタロトさんを驚かせてあげましょうよ!』

『だな、まずは旅を続けて、その道すがら、アスタロトさんが書き残してくれたキーワードを探せば良いんだろう? 遥か太古のアーティファクトか、面白いじゃないかっ! やってやろうぜレイブっ!』

 勇気溢れる相方たちの声を聞いたレイブはようやく顔を上げ、笑顔を浮かべて答えたのである。

「あ、ああ! そうその意気だよな! なに恐れる事は無いんだ! 俺たちはアスタさん入りなんだから回復力や生命力が格段に上がっているんだし、滅多な事じゃあ死なないだろうしな! 旅をしながらここに書いてある事を知っているヤツを探せば良いだけなんだから簡単な事さっ! ほら、ちゃんと書いてある、けど? ん! んんん? んー?」

『どうしたレイブ?』

『レイブお兄ちゃん?』

 自分が気を失っていた横に、綺麗に畳んで置かれていたズタ袋を広げて見つめたレイブは、泣き止んでいたのも束の間、再び両目に大粒の涙を湛えて告げる。

「よ、読めない…… 何だ、この文字…… グスッ」

『『えーっ!』』

 レイブ達が何とか読める文字はロシア語に近い謂わばスラブ語の亜種だけである。
 対してアスタロトが書き残したキーワードは酷くあっさりとした不思議な形の文字だけで構成されていた。
 慌ててレイブから奪い取ったズタ袋を回し見したギレスラとペトラにもチンプンカンプンだったのである。

 約束を果たせない、そう泣きじゃくるレイブに対して、先々で出会う存在に見せればいいじゃない、だとか、もしかしたら絵文字かも、ずっと見ていたら何と無く判った気もするぞ、だとか適当な慰めを言い続けたペトラとギレスラ、立派なものである。
 早速今出来る事に一所懸命に頑張っていた、主にレイブ君係りっぽく……



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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