【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1569.腰斬されし者
既にレイブは耳を両手で塞ぎギレスラは頭自体を翼の中にしまっている。
答えられそうも無い兄達に代わり答えるぺトラも、既に耳を自らの耳孔に詰めて騒音対策はばっちりである。
『判ったわよ、会うからもう少し静かに話して欲しいんだけど? それかその名持ちさんの中に低音ボイスのナイスガイとかいたら代わって頂戴っ!』
「えーっ? なーんーでーすーかーーーーっ?」
『キイィッ! アンタ、ワザとやっているでしょぉっ! ぶっ飛ばすわよぉっ!』
「えぇーーーーっ! なーーーっにーーーっ!」
ドゴンッ! ガラガラガラッ!
『何よっ!』
『ジジジー……』
「ひっ………… ひいぃ」
マナナンガルのボリュームは無事、元に戻った、いや、正確に言えば最初の言葉より随分静かになっている、具体的には聞ける位だ、凄いぞ『百頭の魔』。
「えっと、で、では皆、出て来てご挨拶を」(大変聞き易い♪)
坑道の行き止まり、鏡面の闇が再び蠢き、マナナンガルと同様に溶け出す様に姿を表したのは五体の人型の存在である。
マナナンガルは聞き易さを重視した声音で紹介を始める。
「まず私の隣に居りますのがボイイ族のリーダーです」
手で指し示した先に立つ牡牛の角をあしらった兜に青銅器製の甲冑に身を包んだ大男が続く。
「ブラチです」(重低音+歯の神経に障る感じ)
「『『くっ!』』」
『ジ?』
マナナンガルが慌てて五人に向き合った。
「これ! 普通に話さなければいけませんっ! トンでもない事になりますからっ! さあさあ、音波攻撃は一旦止めて下さいよっ! ……失礼しました」
「お、おう」
『頼むぞ、おい』
『奥歯の付け根がピリピリしたわよ』
『ジージー』
攻撃って、やっぱり意図的な物だったって認めた事になっちゃうんじゃ? まあ、良いか……
「オホン、続けてオルテニアの長オルティガ、彼と睨み合っているのがムンテニアのムルトヴァです」
「唯一無二のモルダウの王、オルティガです、よろしくお願いします」
「本当は私がモルドヴァ王です、証拠に訛っていないでしょう? ははは、どうぞよろしく」
どうやら仲が良くないらしい、こちらの二人は無地と言うより生成りの簡素なチュニックにサンダル姿だ、どうやら出身の時代がかなり古い様に見える。
お互いに足を踏んだり脇腹を突いたり地味なちょっかいを繰り返している二人の王を無視してマナナンガルの紹介は続く。
「そして中原の者をまとめているゴシショさんです」
「ゴシショがご挨拶致します! 魔神アスタロト様にお会い出来、恐悦至極! どうかお見知り置き下さいませ」
音波攻撃ではなく、はっきりとした声に姿勢を正して礼儀に則した口上のみならず、深々と頭を下げた姿からもそれなりの立場にあった気配が漂うゴシショさんである。
見れば玄端っぽい服装で帯には剣も佩いている、多分昔の中国辺りの人なのだろう、周代かな?
剣の横に並べて挿している笏が竹製な所を鑑みると、帝位や王位では無く太夫辺りの身分だったのだろうか?
うーん、長々考えていても時間ばかりが過ぎて答えに辿り着かないな、こりゃ……
正に、日暮れて道遠しって所だ…… ん? んんん? あぁっ、あのゴシショか! 伍子胥ね、死者に鞭打っちゃった人か! なるほど、こいつも最終的に腰斬の刑で処されたんだったな、って全員か。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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