【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1636.魔核抽出
思っていたより随分短時間で終りを告げられた事に驚きながらも、サタンの手から元あった棚へと戻された錫人形、アルファ錫の白光に煌く可愛らしい少女人形に駆け寄ろうとしていたヨハンを嗜める声が地下に響いた、他ならぬサタンの声だ。
「違うわよ! そっちは只の入れ物よ? カーミラはこっち」
「え? へ? えーっ! ソレですか?」
「そ、コレよ」
ヨハンは入れ物だと指摘された白銀に輝く人形を手に取りジーっと見つめてしまった。
膨張や爆裂の痕跡も綺麗に消えて、精緻な意匠が見事な逸品にしか見えない。
対してサタンが手にしてこちらに振って見せている物は、どうやら小さな結晶の様に見えた。
とは言え、彼や彼の家族が普段身に着けているジュエリーやアクセサリーに比べてしまえば、サイズだけでなく赤い色合いや透明度、何より形自体がゴロゴロとしたそこらの石くれ同然であり、はっきり言って、彼が心から愛し心を許したカーミラとは俄かに信じられない代物だったのである。
「え、ソレ?」
アゲイン。
「言ってるじゃないの! アタシ自身が揉んで、ううん揉みしだいたんだからっ! 間違い無く、コレがアンタのカーミラ、なのよっ!」
「えーっ」
なるほど、人間にとっては見てくれも大切、可憐な錫人形と無骨で野趣溢れる石っころでは、やはり心象も変わって来るんだろう、そう判断したサタンは薄暗い地下室の中をキョロキョロと見回して、自分の足元からすぐの場所に何かの動物の死体、まあ半分骨になっている慣れの果てを発見したのである。
「んねえ、この骨貰っても良いかな?」
裏庭の端にある牢獄とは言え、ここは領主の館である。
一応許可を貰おうと礼儀正しく問い掛けたサタンの声にヨハンは答えを発しなかった。
正確には答えられる状態では無かったみたいだ…… カーミラの石変化ショックが大き過ぎたのか、両手で襟を何度も何度も馬鹿みたいに整えながらブツブツ気持ち悪さ満点の小声を唱え続けたりしている、恐らく呪いの類だろう。
相手にしていても仕方が無い、そう判断したサタンは、論より証拠、そう言わんばかりに手にした赤い石を足元の腐乱死体に差し込むのであった。
そうしておいて立ち上がったサタンは満足そうな顔を浮かべながら両手を開いて言う。
「ここにアタシの魔力を流し込めば復活する筈よね! で、晴れて最初の眷属が出来上がりって寸法ね♪ むふふふ! ん? んんん?」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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