【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1256.方向性
『行き詰っちゃったわね、どうする? 今回はアーティファクトを調べるのを諦めて次回に賭ける? この短い間に見つけられたんだから結構そこら中に溢れているのかも知れないわよ? それこそ逆に?』
「なるほどな、こんなに大事そうな物じゃなくてそこらの物、普段使いの道具とかの方が浸透しているって事だもんな! なるなる、逆にだな、逆にかぁ」
いや、そうなったらもうアーティファクトとは呼ばないんじゃ?
かなり追い詰められているらしくいつもの切れ味が鈍っている兄と妹にギレスラが言う。
『グガァ、逆に? って使えそうじゃないか? 逆にだろ逆、良いんじゃないか?』
駄目だ…… 揃って現実逃避、ポンコツスリーマンセルに落ちぶれる事決定。
そう私が思った直後、ギレスラが続けた言葉が突破口を開く。
『金属板には触れてはいけないが魔石だったら動かしても良いじゃないか! それを金属板に似ているアミュレットとタリスマンに置いて様子を見るのはどうだ? 何か判るんじゃあ無いだろうか?』
『っ! 確かに…… ねえレイブお兄ちゃん、持って来ているわよね? タリスマンとアミュレット』
「お、おう! ズィナミのババアが『森王』と『竜王』への手土産にってな、無理やり俺の荷物に入れてやがったから~、背嚢の底辺りに有ると思うぞ、出すか?」
『無論だ』
『早く早く! 実験が捗るわよ!』
弟妹に急かされてレイブは背嚢をひっくり返して奥の方をゴソゴソ探し出した。
ガチャガチャ カシャンッ ギギィ~ テクテクテク……
ちょうどその時、入り口の方向から何やら金属を動かす甲高い音が聞こえ、続けて重い鉄格子が開く低い音が、最後に足早に歩を進める軽快な足音が届いたのである。
足音の主はヘビの獣人シュカーラの物であった。
この里に入って以来、とりわけ迎賓館に着いてからこっち、すっかりスリーマンセル御一行係りの様相を呈している彼だ。
最奥の部屋に姿を表したシュカーラは室内を一瞥すると、四隅に置かれたアーティファクトに目を向け、唇の周りをペロペロと自身の赤い舌で嘗め回しヒクつかせてから満足気な声で告げる。
「ふふふ、どうやら約束を守って下さっているようですね♪ 結構結構! さて、お待たせしましたがご注文の軽食をお持ちしましたよ、どうぞお食べになってお待ち下さいませ♪」
そう言いながら口の周りをもう一嘗めしてから、背後の人影に対して指示を出すような身振りをしていた。
口の周りで対象の熱を感じているらしい、と言う事は蛇の部分はニシキヘビ科かボア科なのだと思われた。
マムシ亜科であればもう少し上、頬に当たる場所にピット器官を持つことから類推される結論だ。
類目マニアのペトラはいち早くその事に気が付いたようだが特段口にすることはせず、無言のまま何やら得心がいった風情の頷きをしていた、流石だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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