【1976話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1976.テューポーンの真実
皆で向かう先は日本に繋がる細い場所、とは言え泥酔中の豚だけは放置状態でお留守番、先頭を飛ぶ長老のウズラ模様に話し掛けるのは相変わらずのメンバーだ。
まずは一番の巨漢、グラムランドのルッカが聞く。
『副王様は話せるのだな』
キトラのカメムシは振り返らず答える。
『当然じゃろ? 儂って結構偉い神様だったりするんじゃぞい』
『そうか…… しかし、そーなると……』
『ジジジッ?』
言い難そうに言葉を濁した竜王の視線が自分に向けられている事に気が付いたテューポーンバッタは抗議っぽい声を上げた。
空気を読む能力が決定的に欠けているタイゴン、パダンパが何故か嬉しそうに続く。
『テューポーンさんはレベルが低い神様だから喋れ無いんすか?』
『ジ? ギ、ギーギーッ!』
今度は確実に抗議の声だ、間違いない。
『なるほどぉ、格の違いなんだねぇ~、痛っ!』
レオニードの納得にはバッタがキックで不満を露にした。
とは言え、かなり手心を加えている様だ、その証に蹴られたレオニードの頭はもげていない、良かった。
元々アガリアレプトの配下で、そこそこ有名な悪魔のエレーロギャップとタリヒマル入りのミロブロが物を知らない愚か者達に説明してくれる、親切だ。
「テューポーンの格は高いですよ、魔王種ですからね」
うん、まあね。
「我々と同格ですね」
言葉の信憑性がグッと下がった…… ミロブロの脇役属性のせいだ。
グラムランドは率直な疑問をフォーシームだ。
『しかしサイズが、それに言葉も…… な?』
なるほど、確かにキトラのカメムシが虫にあるまじきビッグスケールなのに対してこっちは普通のバッタ、見てくれの差は圧倒的に格下に見える。
ミロンはこの疑問にピッチャー返しで答える。
「テューポーンは百頭の魔ですから、体のサイズは自由自在なんですよ」
そう言や初登場の時、こいつアスタロトに命じられて小さくなったんだったな…… 状況次第では天を衝く巨大バッタになるとか? 萌えるじゃん!
ブロルも続いてピッチャー強襲だ。
「バッタはそもそも発声器官がありませんから話せないんでしょう、キトラのカメムシは雄、発声出来るから会話可能なだけですね」
『む? ではいつものジーとかギギッって声は一体どの様にして?』
そう思うよな。
「あれは声じゃありませんよ」
「羽を後肢に当てたり擦ったりしているんですよ」
『ほう』
『ジジジ』
ここでテューポーンの真実が暴露された。
結構大変なやり方でコミュニケーションを試みていた事に、周囲は尊敬を込めた視線を送り始めている、頑張った甲斐があったな、テューポーンも満足そうな声、いや摩擦音である。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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