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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1468.ノーダメ


 レイブは心中のドロドロした闇の部分をおくびにも出さない様に留意したまま何食わぬ顔で質問を重ねる。

「その『水影』ってスキルはどーゆー物なんですか?」

「ん? さっき言ったじゃないか! スキルをコピー出来るんだよ、便利だろ?」

「んー、それはアレですか? 鋼体術をボティスさんがニンゲンに伝えたとかそーゆー? 伝授的なアレの比喩的なアレ? です?」

「違うってばー! 全っ然違うよー! あっちは修行とか隷属の誓いとか色々条件が伴うんだけどね、こっちはそんな煩い制約とか一切無いからさっ! 誰のスキルを誰にでもお手軽、無限にコピー可能なんだよー? どう、私って凄くなーい?」

「んーと、んー、やっぱアレなんですよね? 痛い、ですよね? ま、当然ですよね?」

「全っ然ー! 無痛だよ無っ痛ー! コインの痛みの事だったらアレ、只の金イオン中毒の痛みだからさっ、アレー」

「だったらそっちで良いじゃねーかよっ! 意味の無いコイン作ってんじゃねーぞっ、馬っ鹿野郎っ!」

 ゴッ グッシャーンッ!

 我慢の限界を越えたのか、レイブの拳が微笑んだままのシド・リキードフォルムの顔面を襲った。
 瞬間に渾身の力と肉体強化を何枚も多重掛けされて繰り出されたパンチは、泉の周囲の空気を振るわせただけでなく、着弾点から波の様に広がった後、シドの体を粉々に爆砕させてしまったのである。

『れ、レイブっ!』

『レイブお兄ちゃんっ! な、何て事をっ!』

「えっ! や、殺っちまった、のか? 嘘だろ…… も、脆くね?」

「ノーモーションでの良いパンチだねー! 流石は魔神アスタロトの依り代だけの事はある! 普通なら死んでるよー、相手? 誇って良いよーマジで」

『『「うわあぁっ!」』』

「んんー?」

 レイブ怒りの鉄拳で、バラバラに砕け散ってしまった筈のシド青年は、次の瞬間スリーマンセルの後方、ミロンとブロルの隣に並んで、極々普通に声を掛けて来る。
 見た所、どこにもダメージを負った様子は無い。

「え? あ、あれ? どうして…… あの」

「まず謝ってよー、殺すよ? マジで」

「あ、その、ご、ごめんなさい」

「はい、良く出来ましたっ、じゃあ殺さないよー」

「は、はい…… どうも、です」

 この時のレイブは背中一面にジトッとした嫌な汗とこれまで経験した事が無かった悪寒めいた冷たい感覚を味わい続けていた。
 ズィナミやアスタロト、モンスターの大群やタロースやダソス・ダロスやトレントの群れ、それらの暴の威力のどれとも違う、得体の知れない不気味さを目の前の男前な青年からビシッバシッ感じ捲ってしまっていたからである。

 これが悪魔、それも数柱しか存在しない魔神の底知れない実力なのだ。
 その一端に触れたレイブは我知らぬ内に全身を硬直させ、その緊張を鋭く汲み取ったスリーマンセルのメンバー、ギレスラとペトラも瞠目どうもくと無言を以って魔神たるシドに向き合ったのである。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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