【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1337.状況整理
穏やかな日常に突如巻き起こった急転直下の地獄から、漸く抜け出せそうな希望を感じ取った私は、改めてここまで起こった出来事と自分自身の考えをまとめる事とした。
まず切欠は昼寝中に急襲してきた正体不明な魔力の奔流である。
こうして落ち着いて考えてみると、量だけでなくその濃度も異常であった。
あれ程の凶悪な魔力など、生れ落ちてから三百年近くになるがほぼ経験に無い。
強いて言えばハタンガの宮殿で初めて会った時のアリス様、それと訓練中にちょこっと見掛けたズィナミの師匠、魔術師グフトマの内包した魔力位のものだろう。
あんな規格外と同等の存在がそこら中にいるとは思えない、一体、発生源はどんな化け物だったのか、見当も付かない……
次に考えたのは『回復』と『治癒』のスキルが期待通りに権能出来なかった件についてである。
これは大体予測出来ていたのでそれらをまとめるだけなので比較的簡単だった。
『『回復』は体が変化中はダメなんだな、そりゃそうか、どの時点の状態に戻すか判らんもんな、なるほど』
不思議だった『治癒』発動時に見舞われた気が狂うほどの激痛についても凡その仮説がつく。
『緩やかな再生を加速させる『治癒』は別名『修理』だからな…… 動物だけじゃなく木や草花の植物や道具なんかの無機物も直せる訳だから…… うわぁ……』
『治癒』の仕組みを思い出した瞬間、私は痛みの理由を理解した。
スキル自体を教わったのは放浪時代のキャス・パリーグからであったが、その後、ハタンガでの修行中、アリス様直々の座学によって徹底的に仕組みを教え込まれた為に見当を付ける事が出来たのだ、ありがたい。
『回復』が周囲の物質を利用して怪我を治すのに対して、『治癒』は元々の構成していた物質を使って少し前の状態に戻すスキル、言ってみれば直すのである。
難しくて細かな仕組みについては、受講中恐しい程の睡魔に襲われていた私では上手く説明できない が、物質同士の引力? 相互依存的な重力? に関係しているみたいな話だった、筈だ。
なんでも生き物を構成する細胞とやらも、石や道具の元になっている鉱石なんかにも、こう言った不思議な磁力っぽい力が存在しているらしい。
アリス様はじめ講師陣はこの引かれ合う力を『存在の絆』とかなんとか呼んでいた気がする。
そもそもこの世界、宇宙と言う場所に存在する全ての物質は同じ意思の元に理を共有しているそうだ。
陽と陰、プラスとマイナス、それにどちらでも無いチューセイとか言うソリューシなんかが共有している意思とやらは『変化』なんだと熱弁された。
随分ざっくりとした目的じゃないか? そんな風に感じた記憶がはっきりと残っている。
確か、命や物質を構成しているゲンシ同士が、境遇を同じくし隣接する同種と別たれる事に対する抵抗力を利用する、だったかな?
当時ハタンガで住み暮らしていた私的には、宿舎のお隣りが突然入れ替わると、なんとなく落ち着かないもんなぁ、そんな気分に置き換えて理解した物だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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