【1912話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1912.医療の現場
そこら辺を経験上熟知していたペトラはその身をグラムランドの腕に確りと固定させた。
疑いは皆無だ、そりゃそうだ、幼い頃から幾多のピンチを乗り越えたのは兄達との密着だったのだ、むしろ密着依存症のきらいすらあるのだろう。
どちらかと言えば緊張しているのは竜王グラムランドの方、立場上こういった共同作業に不慣れなのは想像に易い。
自らの腕と一体化したペトラが無言で頷くのを契機にして、ゆっくりと慎重に持ち上げる動作とシンクロして顔を伝う汗が痛々しい、頑張れ。
『グギャッ! キュゥ~』
『むっ、しまった!』
何やら不穏な悲鳴に続いた嫌なセリフ、腕に縋ったペトラも思わず確認を余儀なくされる、無論、両肢でしっかり抱きついた姿勢を維持、顔すら動かしていないままだ。
『何、今の?』
『すまん、緊張して反対側の腕に力が入り過ぎ少し握り込んでしまったようだ…… 気を付ける』
ペトラは羽化途中の蝶みたいに微動だにしないままで大事な事の確認だ。
『大丈夫? 死んでないわよね』
『ああ、まだピクピク動いてるから死んではおらぬ、と思うのだがな』
『じゃあ良いわ、早く見せて頂戴』
『承知した』
意外にドライだ。
これも自分が持つ回復系のスキルに絶対の自信があるからだろう、死んでさえいなければ治せる、とでも思っている事が原因だと思われる。
患者側からすれば治して貰おうが見捨てられようが、その時点で感じた苦痛は変わらずPTSDとかにもなり得る訳で、この手の職人気質だかプロ意識だかは、ありがた迷惑とまでは言わない物の全くの無意味で戯言としか思えない、治してくれてる分文句だって言い難いし……
まあ変にオタオタしっ放しよりは全然安心出来る、良しとしよう。
事実、少し狼狽えていたグラムランドは平常心を取り戻し、ペトラの乗った右腕をギレスラを包んだ左腕に近付かせる事に成功した(普通)。
グラムランドはペトラに問う。
『どう? 直りそうか?』
おもちゃドクターかな? んで直すじゃなくて治すだからな。
『どれどれ? 『診察』、ふーむふむふむ、なるほど、ね』
やっぱりおもちゃドクターっぽいな、ってか早く『回復』させろよ、今まで診察なんてやっていなかったじゃないか。
なりきりおもちゃ屋さん的なペトラは言葉を続ける。
『うん、これ翼が折れちゃってるわね、死に掛けているわ』
見れば判るレベルの内容。
グラムランドは心配そうだ。
『え、それって、つまりぃ……』
ペトラは力強く答える、表情も良い笑顔だ。
『大丈夫! 直るわよ! ほら見ていてご覧なさい、『高回復』』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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