【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1333.クルン=ウラフの日々
里人はどういった仕組みなのかは判らないものの、ここ以外のニンゲン達とは違って、魔力に対する耐性を持っていない。
それは魔力を利用してのスキルの行使が出来ない事と同義だが、太古の昔、この地に居を構えた初期の極東ニンゲンが残した様々な金属板がそれらの代わりとして利用され、特段の不便を感じてはいないようだ。
彼等は総じて善良で良く働く。
協力して作物を作り力を合わせて家屋を立て、厳しい自然環境にも全員が一丸となって立ち向かっている。
何事も秩序を守る事を一番に考え、我欲を優先する者や掟を破る者は非難の的とされる。
狩りや農耕、その他の作業や集会、家毎の食事の時間や回数まで定められた通りに始まり、特別の理由が無い限りこれに従わないニンゲンは皆無なのだ。
里や森の道々にはゴミ一つ落ちていない。
通り掛かった誰かが率先して片付けたか、定期的に行われる全里人参加のセイソウカツドウによって清められているかのどちらかだろう。
自らが美化に関わる事で自然、意識は向上され、捨てる、その気すら起こらなくなっているようだ。
収穫の配分も家族の人数に合わせて均等に分けられ、不平不満を口にする者所か、行列の順番を乱す者すら存在しない。
配布する係りの者も、例の金属板で確認できるジカン通りに開始する事を第一と考え、決して先んじる事も遅れる事も起こらないように細心の注意を払うのだ。
こう聞けば、さも堅苦しくフォーマルに過ぎる掟優先の社会を想像するかもしれないがそうでは無い。
私が見る限り、彼等自身がこのスタイルを喜んで受け入れている様なのである。
事実、彼等は良く笑い、お互いを心から思いやっている。
観察し続けて感じた私見に過ぎないが、彼等自身も日々のルールやモラル、生活の規範となっている規則正しさに僅かではない煩わしさを持っているのではないかと思う。
しかし、構成している社会をより安全に、そして快適で健康的に保つ為には、自分を含めた全員が秩序を守る事が合理的である事を知っているのだろう。
この事を持ってしても、極東ニンゲンに連なる彼等が他を超越した知性と分別、倫理観と忍耐力を有している事が判る。
やはり、極東ニンゲンは特別な存在なのだ。
その理解に達した時から、私の生はそれまで以上に誇らしくやりがいに満ちた素晴らしい喜びの日々へと昇華されたのである。
毎日を神殿の近くで気ままに過ごし、秩序溢れる里人たちの営みを遠目で眺め、木々の緑や鳥や虫の囀りに耳を楽しませる、そんな平和な時は突然終わりを迎えた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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