【2278】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2278.元光影
全員でハタンガに拠点を移した後も生活は変わらなかった…… いいや、寧ろ悪化の一途を辿っていたと言えるだろう。
ハタンガの中洲に設営された居留地、そこに光影が暮らす事はなかった、研究の内容が内容だけに子供や妊婦、高齢者や病人から離す必要があったからだ。
幸いハタンガ周辺には暮らしに足る掘削坑跡が幾つもあった。
オーディエンスの皆さんの時代、ロシアの国営石油会社、ロスネフチが試掘したガスや石油の試掘井だ。
その中には地下施設を持つ物も少なくない、冬季にも試掘、研究を続ける為なのは想像に易いだろう。
そこは地下深くまで掘り下げられた坑道から不思議な魔力が噴出し続ける謎の施設であった。
これは『呪いのコイン製作機』の動力源として使えるのでは? そう光影は思ってしまったのだ。
と言うのも、これまでマッシーンの起動には幸福寺のそこらをうろついている悪魔を捕まえて都度強要、グフン、頼んでいたのだ。
無論、善悪と遜色ない法力を有している光影でも可能なのだが、如何せん疲れる…… 一回の実験で二、三日は自室に引き篭もるレベルで消耗してしまうのだ。
そこで思いついた自然発生魔力の利用だったのだが、これが思いの外具合が良かったのである。
旧ロシアの国家権力が放棄せざるを得なかった殺人級(文字通り)の魔力は『呪いのコイン製作機』を三百六十五日二十四時間可動を実現させたのである。
初期に充填した光影自身の魔力がポンプで言う呼び水になったのか、マッシーンだけでは使い切れ無い程の濃密、且つ潤沢な魔力が地下施設中を魔界化させるのに多くの時間は要さなかった。
狂人とは言え、前回までのループで聖戦士のリーダー、聖魔騎士を務めていた光影はその魔力の中で生き抜くのみならず、規格外の動力を得た事で念願の聖女、聖戦士のスキルをコピーした激痛コインの製造を成し遂げたのである。
その頃には光影の研究室にも訪れる者が増えていた。
魔界を懐かしむ者達、つまり地上に残された悪魔達が保養所的に遊びに来始めていたのである。
余りあり過ぎる魔力を浴びた悪魔達がギョワギョワ雄叫びを上げる中、完成したコインを手に光影は喜びの言葉を口にした。
『イーヒヒヒッヒー! 漸く呪いのコインを拵える事が出来たわい! イヒヒヒッ! これさえあれば…… イーヒッヒッヒッヒィー! イヒイヒイヒイヒィッーッ!』
かぎ括弧でお判りだろう、この段で光影は人間を辞めていた…… キチガイじみた執着心に引っ張られた、もしくは周囲に溢れる凶悪な魔力に曝され続けた故か、肉体も精神も立派な化け物、それも魔王クラスの大物悪魔へと変じてしまっていたのである……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡