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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1645.家族の死


 身長二メートル、体重百八十キロで体脂肪七パーセントの大男は全身を戦慄わななかせながら彼女に歩み寄る。
 そして彼女の腕から二つの頭、惨たらしく切り取られた生首を抱き上げると嗚咽混じりで吐き出したのである。

「お、おおぉぉ、ミオリっ、クリトっ! なんて事だっ! 嘘だと言ってくれぇぃっ!」

 当然だが、この呼び掛けに答えてくれる声は無い。
 ミオリもクリトも既に事切れているのだ…… 今は只、元、羊の成れの果てなのだ……

「おぅおおぅおぅおぅおぅ」

 嘆く事一入ひとしおなイートゥルにローザリアは遠慮気味に告げる。

「あの、イーチ? 後、これ、お兄さんなんだけどぉ……」

「ほぅっ! そうだったぁっ! あ、兄貴ぃっ!」

 うっかりさんのイートゥルである。
 まあ、ゲタイの場合、羊も鶏も家族同然、一つ屋根の下で寝食を共にしているのだ、うっかりする事もあるのだろう、判るぞ。

 冷静さを取り戻したイートゥルは、二匹の羊の首をローザリアに返し、入れ替えに一つの人間の首、十数人いる兄弟の中で、たった一人、父母ともに同じで真の肉親と呼んだ兄、カリオペを受け取るのであった。

 父は勇者クリソヴァール、山岳部族の若きリーダーで、母のダーチャーは東方からの旅人達がこの地に残していった太古の民のすえの娘で、結婚するまでは勝手に地下の神殿に篭もって、人と植物が混ざり合っている様な訳の判らない不気味な壁画を描き続けていたらしい、全く、偉い娘なのだ、頭が下がる。

 まあこの娘もウチの超男前な紫の旦那にぶっ飛ばされるまではあっちの夜叉を率いるリーダーだった訳だから、これ位はやって貰わないとね♪

 あ、蛇足を承知でご紹介させて頂くと、ダーチャーはヒンドゥーで言う所のダキニ、荼枳尼天だきにてん、皆さんに馴染み深い呼称ならばお稲荷さんの事と言えばグッと親しみが増したのでは無かろうか?

 んでこのダーチャーちゃん、ここらで二人の子供、息子達を産んでいたらしい。
 一人は三メートル近い大男で鉱物採掘と製錬の専門家、次期リーダーの呼び声も高いカリオペで、いま一人が兄の三分の二しかない小男、無駄な明るさと細事には拘らない適当さと大らかさで、隠れた変な人気者、イートゥルなのである。

 クリソヴァールとダーチャーの両親が、次代を託したかった長男は哀れ首チョンパとなって弟イートゥルの手に抱かれる事となってしまったのだ。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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