【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1611.ドラゴンの飛翔
「で、どうして急に飛び始めたのですか?」
『っ! ど、どうして? 聞きたいのか?』
「ええ、後学の為にお教え下さい」
『どうしても、か?』
「はい、お願いします」
ギレスラの顔色は再び青みを増して、不健康そうな紫に変じてしまった。
しかし、そこは最強の誉れ高い北の魔術師最後の弟子の一角である、胸を張り頭をなるべく上方に向ける事でなんとか誤魔化しながらいつも以上に鷹揚な口調で答える、少し大物っぽくも感じる、ナイスだ。
『それはな、我がドラゴンだから、なのだ』
「えぇっ、ドラゴンだから? なのですかっ?」
「ほぅ、ドラゴンだから、ねぇ……」
何と無くソレっぽさに溢れるギレスラの言葉に、ヴラドは少年バリに瞳を輝かせ、小さな頃からギレスラ、まあドラゴン様と暮らしてきたレイブは微妙な感じだ。
ギレスラの言葉は続く。
『我等ドラゴンが飛翔する時、確たる理由は必要ではない、天翔ける時は翼が教えてくれるのだ』
「つ、翼がっ!」
「…………はは」
『ドラゴンとは全ての生物の頂点に君臨する者だ、翼で大空を翔けるだけでは無いぞ、燃え盛る獄炎に遊び凍て付く氷雪に歌い、自らの死にさえ喜悦の哄笑を上げる者なのだ!』
「おおっ!」
「…………」
『つまりドラゴンは飛びたい時に飛ぶ、それだけの事なのだぞ? ヴラド、其方なら判っているとばかり思っていたのだが?』
「わ、我輩がでございますか? 何故です?」
『何故? 其方はドラキュラ、ドラゴンの子であろう?』
「はっ! し、しかしそれは我輩自身が勝手に名乗っていただけでして、その、誰かに認められたりした訳でもなく――――」
『言った筈だぞ? ドラゴンは飛びたい時に飛ぶ! 名乗りも又然りだ! ドラゴンがドラゴンである事に誰の許しが要ろうかっ?』
「はっ! で、ではっ?」
「ぷっ」
堪え切れず漏らしたレイブの吹き出し笑いにもめげずにギレスラは仕上げに入る。
『改めて問おう、ヴラド、ドラゴンの子よ、汝は自らをドラゴンに非ずと断じる者なのか?』
ヴラドは直立、ピチっと気をつけをして答える。
「とんでもありまっせんっ! 我輩はドラゴンでありまっすっ!」
「ぷぷぷぷ」
『おお、その意気だ、それでこそドラゴンなのだ! おめでとう!』
「ありがとうございまっす!」
レイブの我慢が限界を超える。
「ぷはははっ! あーははははっ!」
「え?」
『我の兄、レイブも新たなドラゴンの誕生を寿いでいるのだ』
「あ、ありがとうございます、レイブ様!」
レイブは目尻の涙を拭いながら新米ドラゴンに話し掛ける。
「あーっ、で、もう良いのか? ギレスラが突然飛びだした理由は」
ヴラドは即答で返す、謎の敬礼までプラスしてだ。
「勿論! 何故ならドラゴンだからなのでっす!」
『うむ、良い答えなのだ』
「あははは、そっかそっか、あはははは、良かったよ、あはははは」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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