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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1258.比較検証


 思い掛けないタイミングで、先の見通しが立ったレイブに早速芋虫を口に頬張ったギレスラが声を掛ける。

『レイブ、早速アミュレットで試してみようではないか! 芋虫食べるか? 美味いぞ』

 この言葉を聞いたレイブは我に返った感じで慌てた声を出す。

「いやいや、虫は極力食べたくないんだよ、前に言ったよな? ハタンガでは魚と鳥、両生類と昆虫は神聖な生き物なんだってば! 他に何か有ればそっちをぉ――――」

『後はドングリと何かの干し肉ね、何だろ? オーク? 野生の豚かなぁ? 美味しいわよ、コレ』

 …………。
 オークとか豚って豚猪の仲間なんじゃないのかな? ペトラは気にしてないから良いのかなぁ? 心配になるな、カニバリズム的な感じで……

 レイブは消極的な選択をする。

「んじゃあドングリでも齧らせて貰おうかな、んで、これな、ほい! アミュレット」

『良しっ! やってみよう!』

『うん、これをこうしてぇ…… 良い? 魔石を置くわよ』

 真剣な顔で頷きを返した兄達の様子を確認したペトラは、金属板の横にアミュレットを並べると、おもむろに魔石を上にセットしたのである。
 置いた瞬間、アミュレットは本来の用途通りの動きを見せた。

 キンキンキンキンキンキン――――

 早鐘を打つ様にけたたましく喧しい警戒音を響かせるアミュレットは、スリーマンセルが見守る中であっと言う間にその最後の時を迎える。

――キンキン、ガンッ! シ~ン……

「ん、壊れたな」

『ああイチコロだったな』

『思ったより早かったわね、この魔石って想像以上にもの淒い魔力量なのね……』

「だな……」

 首を捻って考え込んだレイブは、口中のドングリを飲み込むと、ギレスラの抱えている皿から芋虫を数匹摘んで無造作に口に放り込んだ。
 さっきはあんな事を言っていたが、やはりそれほど禁忌意識は持っていない、というか皆無な様だ。
 獣人たちの信仰深さに接することで普段おざなりにしていた昔の習慣を刺激された、大方そんな所だろう、いっそ清々しいじゃないか。

 口いっぱいに頬張った芋虫をムシャムシャやりながらレイブは言う。

「なんだこれ滅茶苦茶旨いじゃん! んじゃタリスマンも試すとするか」

 端から見ているとはなはだいい加減な感じでは有るが、ギレスラとペトラはモグモグやりつつも表情自体は真剣そのもので頷きを返す。
 その姿を確認したレイブは、壊れたアミュレットの上から持ち上げた魔石を、横に置いたタリスマンにピタリと並べる。
 瞬間、赤かった魔石の色が揺らめきながら結晶の中を動き回り、隣のタリスマンに吸い込まれるように消え去り、あっと言う間に無色透明の石へと変化してしまったではないか。

「おおっ、タリスマンも動いた、つーか吸い尽くしちまったな」

『うむ、見事に吸い取ったのだ』

『流石はズィナミ学院長お手製のタリスマンね…… レイブお兄ちゃんが昔作ったやつより淒いんじゃない、これ?』

「まあ見た目は兎も角大人だからなー、バストロ師匠と同じ位の腕は有るんじゃないかー?」

 一応現役世代では最高峰の魔術師の腕前だけは評価しているらしい。
 そんなやり取りが完了すると同時に、ズィナミ・ヴァーズ謹製のタリスマンは粉々に砕け散り、見事その役目、魔力吸引機の生を全うしたのである。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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