【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1368.先天性
いつもならば、何もかも放り出して兄の下に駆け付けるギレスラとペトラは、まだ目の前で荒い鼻息で憤怒の表情を浮かべているガト(おっさんバージョン)に対してコメツキバッタの様に頭を下げ捲る事に集中している。
因みに本物のバッタ、テューポーンは別行動、レイブが倒れているだろう壁に向かってパタパタ飛翔を始めていた、自由だ。
スリーマンセル-レイブの謝罪が暫らくの間続き、皆さんで言う所の数分間が経過した頃、漸くガトの姿は元々の美しさを取り戻した。
巨大化とおっさん化には相応のエネルギーを使ってしまうのか、オリジナルサイズに戻ったガトは、それまで後ろに庇っていたダソス・ダロスの巨体に沈み込むようにヘタりながら声を発する。
「あーくたびれちゃったわ、巨人になると燃費が悪いのよ、また何か食べなくっちゃ、って散らかしちゃったからぁ、無いわね…… はぁ~」
一瞬で終わった兄妹喧嘩の余波で、迎賓館前のお食事会場は惨憺たる有様だ。
滅茶苦茶になった元食事を見回していたガトと視線を交わしたシュカーラが即座に反応を返す。
「お食事でっすねっ! 今すぐお持ちいたしまっす! 少々お待ち下さいまっせ! おいっ! ミロンにブロル! 急いで準備だ、ボーっとするなっ!」
「お、おう」
「ま、待ってくれ、腰が、抜けて……」
余程驚いたのか虎獣人のミロンは腰をやってしまったらしく、ネコ科らしくイカやエビを食べた時みたいにヘロヘロしながら、ブロルの肩を借りてシュカーラの後を追って行った。
恐らく、急激に化け物風味を増したガトからいち早く距離を取りたかったのではないだろうか、まあ、気持ちは判る。
その場に残ったメンバーの内、ギレスラが遠慮がちに口を開く。
『グァッ、これ着ろガト』
短い前肢には黒いローブが握られている、多分レイブの予備のやつだろう。
巨大化した際に着ていた質素なチュニックは敗れてしまい、丸裸になっていたガトは笑顔で答える。
「ありがとギレスラ君、優しいのね」
『ガァ、当然なのだ』
一見ほのぼのとした短いやり取りを聞いて、ペトラもオズオズとだが会話に参加する。
『ガトちゃん、その…… 凄かったわね、さっきの…… スキル、なの?』
ガトはローブを頭から被ってから、着こなし確認する様に数回自分を見回しながら答える。
「ん、只の巨人化よ?」
『只のって…… あれ、普通なの?』
どうやらローブを気に入ったらしいガトはそれまで通りの笑顔に戻って続ける。
「だってゴライアスだもん、レイブもなるでしょ? 怒った時とかピンチの時」
この言葉にペトラだけでなくギレスラも首を左右に振って全否定、それだけでなく両者とも目を剥き出して驚愕を隠そうともしていない。
今度はガトが怪訝そうな顔をしながら呟く番だ。
「あら、やらないの? 妙ね……」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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