【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1529.神狼の復活
何やら心的外傷をぶり返してしまったロセウムに代わり、再び兄のロサエムが猪の声帯を勝手に使用して語り掛ける。
『ら、ラマシュトゥはっ? あの恐ろしい女もお前等の仲間にいるのでは無いだろうなっ?』
レイブはこの問いに答えたが、多少憮然としている、無理も無いだろう、何しろ愛しているからな。
「おういるけどな…… お前等の言うラマスかどうかは判らんからな? 結構多く使われている名前らしいんだよな…… なにせこっちのラマスは優しいしな?」
『ウグっ、い、いるのか…… やっぱし』
なるほど。
この兄妹は以前アスタロトとバアルに追い詰められ、そこをコユキの命令で助けようとしたラマシュトゥに結果としては瞬殺されたんだったな、そりゃトラウマにもなるだろうね。
妹は放心、兄はガクブル状態の悪魔兄妹に声を発したのはいつの間にか近くに歩み寄っていたグログロである。
『師姉ラマスのオーラは鮮やかなピンク、師兄三人は純白と緑、銀色、もう一人の師姉は紫色、そして私のスリーマンセル、相方のシンシアは茶色のオーラ、でち』
『っ! ま、まさか、それはっ!』
『ラマシュトゥにオルクス、アジ・ダハーカ…… それにアルテミスに、し、シヴァだと言うのか? いや、でも茶色? 茶色なんてスプラタ・マンユにはいなかった筈だが?』
『因みにシンシアは魔獣の主、既に多くの獣奴を従えているのでつ』
『っ! ま、魔獣神?』
『口白…… 茶色は、ち、チロかっ?』
『さあ? 何のことやら、でつ』
『に、兄さん! こんな所にいる場合じゃないわよ! 命が幾つあったって足りないわよこんなの! いますぐ魔界に…… 少なくとも石化の谷まで避難しましょうよ! ねっ?』
白目を剥いたままの妹にだらしなく舌を垂らした兄が答える。
『いや待てよ、スプラタ・マンユかどうかはまだ不確定だ…… それに口白は三位一体だからな、チロだけで顕現する事は考え難いだろう…… シロやクロまで揃っているのなら、まだし、も……』
話している途中でグログロを眺めたロサエムは言葉を詰まらせた。
横を向いて大欠伸をしているクズリの周囲を包むオーラは銀色一色に見える。
しかし、注意深く見てみると、どうやら白く輝くオーラと黒々としたオーラが繊維状に絡まり合う事でパッと見銀色に見えているのだと看過出来てしまったからである。
『クロに、シロ』
『ひっ』
『でち? 何にしろ大人しくこのお豚とライオン…… トラ? んー、ネコ科の成長に力を尽くしている方が身の為でちよ! ちょろちょろしてると碌な目に会わないのでつ! ましてや依り代を支配しようなんて目論んだら…… 師匠達が許しても、この神狼が、おっと、グログロが見逃さないのでち、どれほど離れていようと見つけ出し即座に噛み殺してくれるのでつ』
『『…………』』
神狼、おっと、グログロの言葉を聞いた悪魔兄妹はそれっきり何も発言しなくなった。
見た目は普通に死に掛け豚猪とグロッキータイゴンの惨状に戻ったのである、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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