【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1235.風雲急
顔を抑えて鼻血を拭っていたレイブがテューポーンの小さな体を鷲掴みにしながら低い声で言う。
「おい、一体どう言うつもりだ、あいつらはギレスラの敵なんだぞ」
『…………』
「悪ふざけじゃ済まさないからな、あいつらのせいでギレスラは、ギ、ギレスラ、は……」
『ジジ』
怒りに任せて握りつぶしでもしてしまいそうな勢いは途中で嘆きへと変わり、僅かに洩らしたテューポーンの珍しく控えめな泣き声がレイブの慟哭の引き金となったようだ。
嗚咽交じりに地面に突っ伏し、拳を何度と無く叩きつけるレイブ。
打たれた大地は深く穿たれ、レイブの悲しみの大きさを覗わせるに充分であった。
一頻り涙を流し続けたレイブは、やがていつも通りの風情に戻って言った、泣き腫らした目はそのままである。
「そうだ、ギレスラの墓を作ってやらなくちゃな、それでペトラとテューポーンさんとで弔いだ、復讐云々はその後だもんな」
そう言って周囲に散らばっていた赤い鱗を集め始め、大切そうに背嚢に仕舞い込む。
後は獣面のモンスター達が切り分けていた大量の肉だったが、荷物になる、どうしてもそんな理由で放置していく事に気が引けたレイブは、周囲に繁茂する低木の幅が広い葉を何枚も千切って丁寧に包み、全てを重ねて一つの大きな塊に仕上げたのであった。
「さてと…… 土に埋められちまった内臓は良いか…… もうギレスラは何にも食べられないからな…… ぐすっ」
自分に言い聞かせるように呟くと、鼻を啜り上げながらそこらの植物の蔓をよって拵えた肩紐に両腕を通し、自分の身の丈を遥かに超える荷物、ギレスラの遺骸を背負い、立ち上がったのである。
そのまま元来た平原に向けて数歩足を運んだ後、不意に振り返って再び言葉を発する。
「そういや角、ギレスラの特徴だった二本の尖角はどこにいったのか…… あそこにアスタさんが居たんじゃなかったかな? やばくないか…… んまあ、無いものは仕方ないよな? どう思うテューポーンさん?」
『ジ?』
語り掛けた所で、相変わらず無機質な昆虫の言葉も表情からも何も得られる物が無い事を再確認したレイブは、それ以上の言葉を発しようとはせず、体の向きを森の外に戻して歩き始めようとしたのである。
その時、
『ブフィーーッ! ブフォブフォッオォ! グフォゴフォグフォオッ! ブ、ブゴォーーッ!』
森の奥、南の方向から届けられた叫び声にレイブが反応をする。
「え! ぺ、ぺトラ?」
『ビギィッ! ピギピギッ! ブピィーーッ! ピィピィ、ピイィィーーーッ!』
「っ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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