【1922話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1922.凶行
ギレスラの声は澱み無く、そして酷く冷たく無感情なままで彼女の耳に届く。
『そこで震えている馬鹿共に決まっているのだ…… 醸せ……』
『えぇっ! このドラゴン達全部ぅっ? で、でも、こいつ等は竜王を守ろうとしただけの忠誠心溢れる――――』
『全て敵だ…… 何を迷う? この位の数、前にも殺った事があるでは無いか……』
『だ、だけどアレはモンスターで…… ヒグッ、彼等は、ど、ドラゴンじゃないのぉ、ヒグッ、グスッ』
泣き出してしまったペトラ、彼女の瞳を覗き込んだギレスラの目は氷点下の酷薄さを帯びていた。
『それが? なに、殺してしまえば大して違いは無かろう…… 何も喰えと言っている訳では無いのだ……』
『い、いや……』
『嫌でも良い、さあ、醸せ』
『い、嫌ーぁっ!』
『殺るのだ! 躊躇う事は無い、既にお前の手は竜王の血で塗れているのだからなっ!』
『ひ、ヒイイィィーッ!』
顔を赤らめて横倒しになったまま、ペトラは自分の四肢をバタバタさせていた。
覗き込む面々、ギレスラにレオニード、パダンパとレイブにバッタ、それに竜王グラムランドと地竜ヴァミスは揃って心配そうな表情を浮かべていた。
『ジッジー! ジッ! ジジーッ!』
特にバッタのテューポーンはペトラの鼻に乗り一心不乱に呼び掛けている、何を言っているのかは不明だ。
幼馴染同士の竜王とレオニードパパも顔を見合わせて言葉を交わす。
『何かうなされているな』
『完全に昏倒してるよね、これ』
こちらも親しいのだろう、パダンパが答える。
『ペトラ叔母さん、酒に弱かったからなー、完全にツブれちゃってるっすよー』
『レイブ、どうするのだ?』
「わざとじゃないんだよ…… こいつの『魅了酒作成』が竜王に向けて放たれただろ? 危ないって思ったからさ…… 咄嗟に……」
『『反射』を使ったんすよね』
「うん……」
『考え無しなのだ』
なるほど、ペトラ目線で経験している間に酔っ払っていた訳か。
少し距離を開けて並んでいたヴァミスが片手を挙げながら発言だ、視線はレイブに固定されている。
『あの…… それでその格好には一体どんな意味が? ふざけている訳では無いんだよな?』
「え、何が……」
『レイブは心からの謝罪をする場合、下半身を露出させるのだ、子供の頃からの風習なのだ』
「うん、そう……」
『へ、へぇー』
『変わった慣習だな』
『そっすね』
『意味はあるんだね、それでこれからどうなるんだい?』
『謝罪を受けた相手がレイブの尻を叩いて許すのだ』
『『『『へ、へーっ』』』』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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