【2236話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2236.思いの外
「しかし驚いたぜ! お前等全然変わらないのな!」
まあ数日だからな。
『それはこっちのセリフよ! レイブお兄ちゃんこそ、その、十六年でしょ?』
全くだよ。
「グルグルの賜物だな♪」
凄いなグルグル……
『出掛ける前と変わらないってぇ…… とても実年齢三十五歳には見えないわよ? ね、ギレスラお兄ちゃん?』
『…………思い出したのだ』
『え? 何?』
「ちっ、忘れていれば良い物を」
ペトラはグルグルの知られざるアンチエイジング効果に、ギレスラは忘却の暗闇から失った記憶の復元に、レイブは封印した忌まわしき過去の再封印に、錯綜するスリーマンセルそれぞれの思い、である…… くだらない。
久しぶりに揃ったんだから他にするべき事や確認して置かなきゃならない事もあるだろうに……
まあ私、観察者位の卓越者と比べるのも可哀想か…… 何しろレイブの帰還自体とっくのとんまに気が付いていた位なのだ、超越と言っても過言では無いかも知れない、自分の才能が恐い。
なんて実の所、少し前からレイブに対する観察が復活したお蔭で気が付いていただけだったりする、てへぺろ。
恐らくバアルのクラックからレイブが抜け出したタイミングで時空の位相が通常に戻ったからだろう、詳しくは知らないし知る必要も無さそうだからそれ位の認識で充分だろう。
本来ならば、もっとちゃんとしろっ! 有用な事を聞けよっ! とか怒鳴りたい所だが、仕方ない、いつも通り観察は一方通行なのだ…… 我慢強く下らない美容の話や○んこ洩らしの質疑応答に耐えるとしようか。
『十六年でしょ? コインの呪いは大丈夫だったの?』
ん?
「ああ、あっちにも大量のコインがあったんだよ、妖怪王だとかもののけの姫だとかかっぱ大王だとか、それに安売り王とか歓楽街の王とか各種スポーツの新人王とかドリアンとかな! 後、十両以上の関取は全員持っていたからさ、楽勝だったぜ♪」
『そう、なら良かったわ♪』
お、おう、ペトラは、まあ、まともな方だからな、うんっ、しっかりしてるじゃないか! 問題は赤ドラゴンが変な名前、シワシワどころかドヨドヨなネームに夢中な事である、馬鹿だから仕方がない、耳が腐らない様充分に注意しながら聞いてみよう。
『危険を冒してまで日本に向かったのはヒュドラの依り代ゲットの為だったのだ! 首尾は? 無事見つけられたのか?』
ん、んんん?
「おうよっ! この漆黒の念珠、アンラ・マンユってんだけどな、伝説の悪魔達が使ってた依り代は全部この中に入ってるんだそうだ! こいつを手に入れる為に横綱にまでなってなー、はははっ、まあ一苦労だったぜ!」
『苦労をしたのだな…… だが任務を完遂するとは流石はレイブ、なのだ、お疲れ様だったのだ……』
「なんのっ! はははっ!」
…………う、うん、レイブは困難な任務を完遂して無事帰還、スリーマンセルのギレスラとペトラも大局を見誤る事無くその労を労ったと、こ、こうで無くちゃいかんよ! 流石は私、観察者の観察対象達だなっ、ちぇっ、嬉しいねっ、ちっきしょうっ!
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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