【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1254.紆余曲折
「なるほど…… タリスマンっぽい、似てるっちゃー似てるな……」
『でしょ? 円に四角形、それに三角形で構成されているんでしょ? ねえ、ギレスラお兄ちゃん』
『うむ…… 基本的な構図は同じみたいだが…… 円の中の模様? 文字が違っている様だな? グァ、こう暗いと細かな所までは見えないぞ』
『そうね……』
迎賓館の硬くて冷たい石の床に、スリーマンセルは顔を寄せ合いつつ議論を交わしていた。
視線の先には獣人たちの大切なアーティファクトが、レイブ達がこの場所に入る前に置いてあった場所に戻されている。
当初、上に置かれていたモンスターの魔石は横に取り除かれており、既に光を放ってはいなかった。
もともと薄暗かった室内は、四隅にあった光源の一つを失った事で更にぼんやりとした暗がりになっている。
再びレイブの声が響く。
「どんな文字なんだ? 大体の形で良いから説明してくれよ」
これに返すギレスラの声色にはいつに無い疲労感が含まれている。
『どんなって…… 何と無く文字っぽいな、位しか判らないのだぁ』
ペトラの声には励ます意図が感じられる。
『アタシ達で一番に目が良いのはギレスラお兄ちゃんなんだから頑張って頂戴! ニーズヘッグの意地を見せる所じゃないかな? ファイトよファイト!』
『うーむ……』
常に自らの誇りとしている種族名を出されてしまったギレスラは、再び金属板に鼻先を近づけて目を凝らし始めている。
しかし、然程時間が経過した訳でもないのに、首を上げて背伸びをしながら溢すのである。
『あーもう無理だ! ぼんやりじゃなくてぼーんやりーだものなー! だって目がシバシバして来たんだぞ? これ以上頑張っても読めやせん、無理無理っ! 何故なら暗いんだからっ、無理だってぇ』
このギブアップ宣言を聞いたレイブは自らも姿勢を起こし、腕を組みながら言う。
「んじゃ明るくするか? さっき一度やったみたいに魔石を上に置いてみようぜ! そうすりゃ明るく光るからさ」
『そうね…… どう? ギレスラお兄ちゃん?』
この提案にギレスラの首は左右に激しく振り捲られている、どうやら全否定モードらしい。
「駄目か……」
『やっぱりそうよね……』
『あれは駄目だ、ってより逆効果だからな? こう、視界がやられるんだよ! 幻惑されるってゆーか、視神経に重度の負担が掛かるってゆーか? な? 目の前に光の残像がずーっとあったんだぞ? 漸く回復した視力がさっ、又な? な?』
なるほど、先程一回やった光る状態での凝視はもういやいや気分らしい。
確かに短い腕の間に頭を埋めて騒いでいた姿は中々に痛々しかったな、キャラ崩壊レベルで……
レイブの記憶にも生々しい位残っていたのだろう、哀願するギレスラの隣で苦々しく眉間に皺を寄せている、突破口を見出そうと悪戦苦闘中と見える。
代わりとばかりに口を開いたのはペトラである。
『しょうがないわ、あっちのアーティファクトを持って来て照らして確認するしかないんじゃないの? 他に手は無いわよ』
『ばっ、馬鹿なっ! 本気で言っているのか、ペトラッ!』
「そうだぞっ! ヘビ面と約束したじゃないかぁーっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡