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【2239話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

2239.入門

 細胞が汚染され切る少し前、ギリで咳き込む事に成功したレイブを睨む、というか軽蔑の視線で見下ろすラマス、場の空気を変える様に言葉を発したのはシエル女史と地竜のヴァミス、所謂いわゆるまとも属性を持つ数少ない二者である。

「で、レイブ、本当にどうやってあれだけのモンスターを倒したのさ?」

『それです! しかも我等が再び籠城してからのわずかな時間だけで…… レイブ殿?』

「ゴホッゴホッ! どうってぇ、グボッ! ケホケホケホッ」

 チラチラとラマスの様子を探りながらややワザとらしい咳を続けるレイブに代わったのは性格破綻者の野ウサギ、ペジオである。

「どうも糞も無いだろ馬鹿共め、彼は横綱なんだぞ」

 ガトはレイブの締め込みの上に巻かれた純白の注連縄しめなわに目を向けながら言う。

「どうやらそうみたいね、なんで又相撲を? 聞かせて頂戴」

「あ、ああ、ゲホゲホ、話せば長くなるんだがぁ――――」

 興味津々の顔を浮かべる一同、ラマスも気になったのか真顔に戻って覗き込んでいる。
 レイブは一部始終を話し始める。

「あっちで出会った爺さんが元力士だったんだよ、で世話になっている内に自然に、な」

 とても短かった。

 言うまでもなく、周囲の面々は不足部分の質問を投げ掛け続けた、ほんの二言三言で語り尽くせる程、横綱の称号は安くないのだ、当然だろう。

 その問いに対するレイブの供述に寄れば、常陸ひたちの国、大洗おおあらいの浜辺で出会った老人は自分をアクア、そう名乗ったそうだ…… しくも数千年前、真なる聖女コユキが愛して止まなかった大相撲の力士の四股名しこなと同じ名を名乗ったのだ、何か因縁でもあるのだろうか?

 残念ながらそこら辺は流してしまった仲間たち、だから詳しくは判らない…… 只、出会った時、アクアと名乗る老人は海で鮟鱇アンコウ鍋を独りきりで食べていたと言う…… 横合いには何を燃料にしているのか皆目見当が付かない鉄の塊、彼がトラックと呼んでいた不思議な重機が黒々とした煙を排出していたそうだ。

 レイブとシュカーラ、それに手下となったヒョウスベ達はそのトラックさんの背中、荷台と呼ばれるフラットな場所に乗せられて移動させて貰ったらしい。

 到着した場所は薄汚れたバラックだった。
 建物の貧乏臭くうらぶれた様とは似つかわしくない立派な看板が立てられていたそうだ。
 曰く、『天空海アクア部屋』。
 爺が言うには出羽の海でわのうみ一門に連なる歴史ある部屋、との事だったのだが、レイブとシュカーラは無言で頷き合った後、優しく爺に接してあげた様だ、年寄り笑うな行く道じゃ、って事だろう、優しみを感じる。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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