【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1692.撤収開始
余りに呆気無いカーミラの消失、その事にあんぐりとしているハスドルバルを横目に、早速空間から箒と塵取りを取り出したハミルカルが長いすを蹴飛ばして玉座を清め始めている、素早くも丁寧な仕事だ、流石っ!
その間にバアルは片手に持った埴輪的フォルムの錫人形にもう一方の手に集結した青いオーラを押し込み終えていた。
これまでの嫌々我が儘三昧の欠片も見せる事無く、呆気無く入れ物に収まってしまった少女に向けるバアルの表情は少し晴れやかさを増していた。
「ふふふ、可愛らしい姿に満足したかい? そのキャスクから世界を眺め続ければ良いさ、そうすれば世界の下らなさ、兄様の素晴らしさ、そして己の犯した罪の重さに気が付ける筈さっ! まあ、悔やんだ所でお前が解放される事は無いけどね、妾自身の魔力紋、それに一応ルキフェル兄様の紋でも解除可能にしておいてやるけどね、くふふふ、これがお前に与える罰だよ? 精々、未来のどこかで妾か兄様の情けに縋れる様精一杯努めるが良いさっ! 無駄だと知りつつ足掻くが良いっ! くふふふふ、くぁーふっふっふっふっ!」
錫の牢獄に囚われた少女は一言も返さない、いや返せない、声帯とか無いのだ。
無論、微動だに出来ずにバアルの顔を見つめたままだ、筋肉や関節とか無いのである。
円形の祭壇、玉座の掃除を終えたハミルカルがバアルに言う。
「こちらは完了しましたがぁ、我が君? そちらは如何です?」
バアルは錫人形を明後日の方へポイっと放り投げて答える。
「うん、こっちも終わったよ、じゃあ帰ろっか! 疲れちゃったよね!」
「仰せの通りでございます」
いつも通りのハミルカルの返しに満足そうに頷いたバアルは、その場に魔力で作った渦を発生させて自らが治める地獄の第二層、ヘルヘイムへの道を開きさっさと入ろうとしている。
ハスドルバルが慌てて声を掛ける。
「わ、我が君っ! お待ち下さい!」
立ち止まって振り返るバアルの顔は滅茶苦茶不機嫌丸出しだ。
「何? 妾、疲れたって言ったよね? ねぇハミルカルぅ?」
「確かに伺いました! おいっ馬鹿息子っ! この上何かあるのかっ? 空気読めよ貴様っ!」
親父は空気読むの得意だもんな。
多少、いや多分にビビリながらもハスドルバルは頑張って返す。
「いえ、あの、ここの魔核はどうしましょうか? このままイーチ殿の所に運んでも? 良かったですよね?」
ふむ、そう言やあったな、大量の魔核が……
親父が怒り心頭、文字通り雷オヤジ化して答えてくれる。
「お前と言う奴は全く…… そんな瑣末な事までも、一々聞かねば判らぬのかっ!」
「……すみません」
「情け無い奴めがっ! ダキアやゲタイに関わる悪魔はイーチの配下、そんな事は遥か昔から決まって居ろうがっ! さっさと持って行く他あるまいがっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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