見出し画像

【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1306.策士策に


 悪の企みは失敗に終わった。
 悪は今、一瞬前までの高笑いが嘘だったかのように黙り込み、じっと俯いて自分の足元を見つめているだけだ。

 可愛らしい弟の赤竜が近付いて告げる。

『はい、取ってあげたぞ、?』

「い、いや、それはっ!」

『良いから取れよ! そしてのた打ち回れよ、!』

「ぐっ……」

 因果応報、神仏の目は誤魔化せない、と、割りと頻繁に神や仏が出てくる観察でも証明されたのだ。
 万策尽きた、そう見えたレイブはこの期に及んで悪あがきを諦めない、中々のガッツだ。

「いや、でも、ほら、ペトラもいないし後でも良いじゃん! 回復とか必要じゃん? ね?」

 どうせこんな事を言いながら次の口車でも考えているんだろうなぁ。
 続いたガトの声で、往生際の悪い悪党の望みは断ち切られる。

「あ、回復だったらアタシ使えるよ、ダソス・ダロスのヤツ! 『偽神デミウルゴス』で変身した相手のスキルも模倣出来るのよね♪ 『乱用ヤルダバウト』ってので模倣? まあ、アビュート出来ちゃうんだ♪」

「くっ、こいつ余計な真似をっ」(ボソッ)

「えっ、何?」

「いいえ、何も……」

 今度こそ観念したレイブはゆっくりとギレスラの持つコインに手を伸ばす。
 人生で一番激烈な痛みはほんの昨日の経験である。
 蘇るまでも無く体に刻まれた痛覚は恐怖に姿を変えて襲い掛かってくるのだ。

 レイブは過呼吸がもたらした変な音を混ぜながら言う。

「ひゅっ、こぅっ、ええい、ひゅっ、ま、ままよ! こぅぅ」

 締らない言葉を残したレイブはきつく目を閉じながらコインを掴み全身を硬直させた、無論、歯も折れんばかりに喰いしばっている。

「…………、ん? あれ? あれれれ? 吸収されないぞっ! 痛みも無いじゃんっ! やったーぁっ!」

 やったじゃないだろ、吸収出来なきゃいづれ死ぬんだぞ? レイブよ。
 理由には皆目見当が付かないが、兎に角、コインは吸収されはしなかった。

 一部始終を間近で見ていたギレスラは思う。
 次回は押し倒してでも吸収させてやるからな、と。
 そしてついでにコインの真偽についても思いを馳せて言葉にする。

『むぅ、目指すコインではなかったのか…… 見た目はそっくりなのだがぁ、無念だ』

 痛いのが死ぬ事より嫌らしいレイブがはしゃぐ。

「そりゃそうだよ! 最長老様もグフトマ太師匠も神だぞ、、それと同格の物がそこらに転がっている訳無いじゃんかっ! ケラケラケラ♪」
 
 レイブの横に来てコインを覗き込んだガトが大きな声で続く。

「でもこれ書いてあるじゃないの? 『魔獣神』のコインってさ! これも神様のヤツなんじゃない?」

「ケラケラ、へ?」

 馬鹿笑いを途切れさせるレイブに代わって質問を返したのはギレスラだ。

『が、ガトちゃん! この文字が読めるのか?』

ガトはキョトンとしながら答える。

「うん、これ日本語よ、漢字とひらがな、カタカナってので書かれているの! 悪魔たちに教わったのよね」

 なんと正体不明のコインに書かれた文字は日本語だったのである。
 まあ、観察で見聞きしていた私、観察者にとっては今更で、特段驚く事ではないのだが……



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

Copyright(C)2019-KEY-STU

いいなと思ったら応援しよう!

KEY-STU|小説|イラスト|フォロバ100 励みになります (*๓´╰╯`๓)♡

この記事が参加している募集