【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1334.変動
その日はいつも通りの穏やかな一日だった。
朝から森周辺の魔力がやけに高かった事には目覚めた時から気が付いていたが、太陽が高くなるにつれ、通常程度の濃度に戻ったので、殊更気に止めもしないでいたのである。
前任のカリブー、ニックから私に代替わりしたタイミングで、ここクルン=ウラフの森もハタンガの勢力圏に組み込まれた。
それはつまり、女王アリスの支配地に加わったと言う事、偉大なる守護獣の加護を受けるテリトリーである事を意味していた。
『森王』等と大層な名で呼ばれているが、私はまあ、一地方の行政長官、いや、一担当官に過ぎない訳だ。
魔獣とは言え獣は獣である。
縄張りを守る事は群れの長、リーダーであるボスの専権事項なのだ。
広大なハタンガを統べるアリス様の威光は、この僻地であっても中央となんら変わる事無く惜しみなく振るわれている。
平たく言えば、領域内で起きるモンスターの討伐をしたり、この日私が感じ取った様な魔力過多に対応してくれたりする訳なのだ。
前者の場合はアリス様自身ではなく配下の魔獣や竜が出向いてこれに当たり、後者は一転して女王自らが遠隔で吸収する事で対応するのが常であった。
この日の異常に濃密だった魔力が収まった事で、
『ああ、今日はアリス様、結構太っちゃったな~』
位に思っていただけの私は、仕事道具で大切な二枚の金属板の上に体を横たえ、当時日課でマイブームだった午後のお昼寝としゃれ込んだのだが……
キンッキンッキンッキンッキンッキンッキンッキンッ
『ぬあっ! な、何事ー?』
金属を打ち合う様な鋭くけたたましい音に目を覚ました私は誰にともなく叫びを上げた。
腹這いで寝そべった姿勢のままでキョロキョロと周囲を見回していたが、音の出所は見つからなかった。
キンッキンッキンッ ガンッ!
『あっ! 金属板の警報だったのか!』
神経に障る感じの甲高い音が、やや重めの金属が欠損する様な種類に変わった瞬間、私はそれらの音源が自分の体の下から、正確に言えばそこに敷かれた金属板から発せられている事を理解した。
明らかにヤバそうなその響きに危機感を覚えた私は、慌てて身を起こして様子を確認しようとしたのだが、
『どれどれ、よっこいしょっと、って! ブッ、ブピピイィィーッ!』
メキッ×4 ボギッ×4 ズズゥーンッ!
四本の足が砕け散った。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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