【2268】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2268.レ・イブ
おおっ、どうやらへんてこパーティーのメンバー、ジャルダンだったらしい。
冑の中から重厚な声が響く。
「レ、だっ!」
あっ、ああ、そうだったな…… 言い直そう、どうやらへんてこパーティーのメンバー、レ・ジャルダンだったらしい、ですよ?
「ああ、そうだったわね、レ・ジャルダン、ね…… ひ、久しぶりじゃない?」
このやり取りに同じパーティーのキャス・パリーグ、ダソス・ダロス、エンペラ、そして顔馴染みらしいシエル女史も集まってくる、ペジオはその場に立ったまま鼻先だけピクつかせている。
そのままレ・ジャルダンを取り囲む形になり、口々に挨拶や質問を投げ掛ける中、自然に輪の中央に残されたレイブのオーラが剣呑を通り越して明確な敵意に変わって行く。
発する声音すら常とはかけ離れた凄味を帯びて響く。
「俺の名はレ・イブだ」
「何? お前もレ、なのか?」
「そうだ、と言ったら?」
嘘を言っちゃいかんよ…… しかしこの会話を二ミリの距離感で交わすとはな、近過ぎてお互いとか見えていないだろうに双方とも中々の精神力である。
「どちらが真のレか、決めねばならん……」
真の? 偽じゃ駄目な理由を知りたい。
「望む所だぜ、幸い人方屋は互いの身内で構成されているからな、フェアな勝負が出来るだろうさ」
「なるほど」
レイブはスキル『口八丁』を発動させた。
一見すると公平そうに見える人方屋だが実際は全然フェアじゃなく偏り捲っている。
まあ学院関係者やダソス・ダロスは中立だろうがギレスラ、ペトラ、シュカーラ、化け物ランプリー二匹やお猿は完全にレイブの手下、対してあっちに付きそうなのはペジオのみ、更には中立勢が止めるだろう事まで計算に入れていたりするのだ。
この卑怯さ、やはりレ・イブでは無く我等のレイブだったのだ。
レ・ジャルダンはまんまと罠にはまった、勝負は既に始まっていたのである。
「まずは手組みからだ」
「よかろう」
互いに両手を広げて手を組み合せ様とする、だが、いかんせん距離が二ミリだ、近過ぎて中々相手の手と合わせる事が出来ない……
かといって自らが下がって位置を確認、なんて真似は双方とも真っ平らしい、なにせ真のレを争い合うライバル同士なのだ、引くに引けない、意地とかがあるのだろう。
ほぼ抱き合って弄り合う様な感じで暫らくサワサワした結果、何とかお互いの手を見つける事が出来た、そのまま手を取り合って仲良くしたら良いのに…… 片方は偽者だし。
いつも通り、私、観察者の平和を願う声が届く事はなく、不毛な戦いは最早開始を待つばかりとなってしまった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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