【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1250.お宅への誘い
ブロルの声は何故か嬉しそうに弾んだ物である。
「手前から二軒目が私の家ですよ! 木材の表面を焦がして私や家族の毛色に合せているんです♪ 家内や子供にご紹介しますんで是非寄っていって下さいよ♪」
「ほおぅ、チミの家族とな、ふむふむ」
レイブの興味が動いたらしい。
つい今しがた見かけた子供たちの中にいた狼子供は明るめな灰色の毛色だったが、ブロルは漆黒に近い暗灰の毛並みである。
家の色をシンクロさせる位ご自慢の奥様と子供に惹かれたのでは無かろうか?
駆け引きの場においては器用な話術、詐術や詭弁と言うべきか? 訳の判らぬ理屈で相手を煙に巻くことが多いレイブではあるが、生来が素直な性格をしている。
湧いた興味が隠し切れないらしく、踏み出す足は確実にブロルの毛色を模した一軒に向かおうとしていた。
しかし、
「その奥が私の家でしてね、妻は豹の獣人なんですが子供はそれぞれに似ましてね、上の女の子が私と同じ、下の男の子は妻と同じ豹柄でして、ふふふ」
ピクッ!
レイブとギレスラ、ペトラの足が同時に止まった。
ゆっくりと振り返るスリーマンセルに声の主、ミロンは笑顔のまま無言で頷きを返した。
お互いの顔に視線を戻したスリーマンセルは、同様に無言のままでの首肯で意思の疎通を果たし終え、リーダーのレイブは徐に口を開いたのである。
「良しっ! ブロルのお宅にはいづれ又お邪魔させてもらう事としてぇ~、今日の所はミロ――――」
「そう言えばステナも去年子供を産んだよな? もう離乳食位にはなったんじゃないか」
ピクッ!
不意に会話に参加した声はヘビ顔のシュカーラの物だ。
ここまで割と無口だったゲッコーのステナはペトラの巻き角から顔をこちらに向けて答える。
「今は伝い歩き、そろそろあんよかしら? 旦那が見てくれてるんだけど、壁や天井まで動き回るから目が離せないのよ~」
ピクピクッ!
レイブ達スリーマンセルの動きが完全に固まり、ステナとシュカーラの会話に全集中している事が判る。
無理もあるまい、なにしろ伝い歩きの状態で如何にしてカベチョロを実践するのだろうか、私、観察者としても興味深い事この上ないのだから。
固まったままのギレスラがレイブに掛けた声は緊張からかややしわがれていた。
『れ、レイブ?』
答えるレイブの表情も非常に難しい物へと変化している。
「う、うん…… だが、虎少女と豹少年だぞ? お姉ちゃん、とか呼んだりするんだろうし、な……」
『ジジジ……』
『むつかしい問題だわ……』
『グガァ…… しかし伝い歩きだぞ? 良いのか?』
確かに…… 滅多に見られないだろうし何にどう縋るのやら見当も付かない。
学術的にもゲッコー一択、ギレスラの正解だと思うが?
「うーん難しいなこりゃ…… こうなると逆に普通っぽい狼子供を選択するとかもありっちゃぁありなのかな? 逆に!」
いやいや、それは無いだろう! それにその言い草だとブロルにも失礼じゃないか! 狼子供だぞ? 全然普通じゃないからね!
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡