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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1715.憑りつく


 兎に角、飽きて集中力不足な人間の渇望に我々悪魔が気が付く事はまれ、滅多に無い事なのである。
 だからこの場面でサタナキアが悪魔を憑依させてやる! ってな発言は人間にとっては又と無い僥倖ぎょうこう、千載一遇のチャンスに他なら無い、そんな場面なのである。

 にしても…… 繰り返しになるがもー少し言い方があるんじゃないかな?
 人智を越える超常の存在と同一化とか、どう? だとか、今ある問題を解決して余りある強大な力、それを欲する気持ちは無いのかな? だとかさ…… もうちょっと誘惑の…… ゴホンッ、誘い方って物があるのでは無いのだろうか?
 この馬鹿、まあサタナキアなんだが…… こんな言い方じゃどんなクルクルだって是とするわけぇ……

「悪魔と合体ですってぇっ! それっ! 私にして下さいよっ! 妻の事は、まあ、兎も角っ! 私こそがそんな感じになりたがってったって知っていましたよね? ねぇねぇねぇっ! 頼みますよーっ! まずっ私にぃっ!」

 クルクルがいたね…… それも重症だなコリャ……
 そうか、ヨハン、コイツはこの時代でも突出した錬金術オタク、所謂いわゆる未知への旅人、しくはチャレンジャーだったな。

 時代の古今に係らず、夢を夢のままにせず何とか形にしようと足掻く者は、総じて専門外の異端にも寛容な節が見受けられるがぁ…… そうか…… 錬金の深淵を求める彼は悪魔的格好良さにも理解を示した、まあ、そーゆー事なんだろう、と、思う。

 少年の心、正確には第二次成長期完了前までに顕著になるたぎる情熱のほとばしり、ソイツを維持し続けているヨハンは強く激しく、純粋な渇望を持って悪魔の力を欲した。
 欲してはいたが、目を剥き出して呼吸も荒く、時折飛沫を噴き出しながら熱望する姿はそれなりに気持ち悪く、サタナキアはコイツを後回しにする事に決めた。

「取り敢えず奥さんが先でしょ? 手遅れになったら可哀想じゃない」

「えーっ! えーっえーっ」

 コイツ……

「奥さんを助けたらアンタの方も聞いてあげるわよ」

「えー、悪魔はどうなんです~、妻にあげちゃったら私の分がぁ~」

 お前は老けただけで緊急性は無さそうじゃないか…… もう眼帯と黒マントでもあげとけば良いんじゃ無いか?

 我が儘な貴族のお坊ちゃん相手にサタナキアは意外な寛容さを見せる、偉い所もあるんだな。

「大丈夫よ、ほら浮いてるヤツで七つ、七柱もいるでしょ? 奥さんに一柱憑依させてもまだ六柱もいるんだから、あ、そうだわ、コイツもいたわね」

 言いながら着古した一張羅、茶色のスカプラリオから取り出して見せたのは、周囲を浮遊している七つの魔核より一回り小さな赤い石である。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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