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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1206.コインの呪い


 最初にコインを握らされたてのひらと、次に落とされた背中の二箇所から、ブスブスとした火傷っぽい煙を生じさせて呻いていたレイブは、しばらくするとうつ伏せたままビクビクと数回の痙攣をした後、なんとも不思議な声を発したのである。

「お? おろろ? 痛くなくなったぞ! それ所か、全身から力が溢れて来る様なぁー! なんなんですか、これぇ!」

 痛みに苦しむ姿を心配そうに見ていたグフトマが答える。

「私が与えたコインはクレータのコイン、鬼神のコインだよ…… 良く耐えたなレイブ、立派だぞ」

 続けて最長老も説明をする。

『ワシのは家畜小屋のコイン、人呼んでアウゲイアスのコインじゃよ、これでお前は二つのコインを持つ身となったわけじゃな』

「アウゲイアス? って何ですか?」

『何ってワシの名前じゃよ、善悪様に付けて貰ったんじゃぞい、良い名じゃろ?』

「へー、で二つのコイン持ちですか…… 痛みと一緒に消えちゃったんですけど? どっかに飛ばしちゃったかな?」

『レイブお兄ちゃん、どこにも見当たらないわよ』

『いやペトラよ、我にはレイブの体に浸み込んで行ったように見えたんだが…… 大丈夫かレイブ』

「え」

『その通り、本来の所有者の手を離れたコインは、渡された者の体に入り込むのじゃよ♪ そしてゆっくり静かにその身を侵して行くのじゃ』

 不穏な言葉にレイブは顔をしかめながら言う。

「その身を侵すって…… まるで毒みたいじゃないですかぁ、恐いなぁ」

『ああその通り、猛毒じゃよ』

「へ」

「すまんな、レイブ……」

「な、なんで?」

 その後、レイブはざっくりと説明を受けた、主にグフトマからである。
 遥か昔、悪魔達が闊歩していた時代から存続している遺跡には、それぞれ管理者と呼ばれる存在がいると言う話。

 管理者たちは種々の条件を成した訪問者に与えるべく、コインを一つづつ所持し、代替わりの際には後進に継承されて行く事。
 コインの数は全てで十二であり、当然だがそれぞれを護る管理者の数も同じだそうだ。

 今までもコインを渡した相手は居たらしいが、しばらくすると手元に戻ってきた、そう話した最長老アウゲイアスの表情は沈痛そのもので、今回が初めてのコイン譲渡になるグフトマの舌をもわずかに鈍らせた程であった。

 コインが戻る、それは委譲した相手の死を顕すのだ…… そう言ったアウゲイアスの言葉に、当事者であるレイブは身の奥底から湧き出す震えを再認識したのである。

 グフトマの説明は次の言葉で締めくくりに入った。

「コインを持った者は一つに付き三十日の猶予が与えられるんだ」

「さ、三十日の猶予、ですか?」

「ああ、その間に次のコインを見つけて手に入れ、体に取り込むことが出来なければ……」

「ど、どうなるんです?」(ドキドキ)

「コインの毒性によって全身から出血し、全ての筋組織や神経が断裂、その激痛の中で…… ゆっくりとじっくりと、のた打ち回りながら、その、死に至るそうだ……」

『そうじゃぞ、それでコインは元々の所持者の手に返るんじゃぞい』

「うえっぇ……」

 思わず、そんな感じでエズくレイブ、まあ、無理も無い話であろう。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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