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【1993話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

1993.ミロン観察

 この観察が始まって以来、レイブの遺物であるゼムガレのナイフに触れれば彼の生涯のどこにでもアクセス出来た、ってかそれが普通、そーゆー仕様なのが『観察』なのだ…… なのだが、ここしばらくの間、そっち目線での観察や経験が出来なくなっているのである。

 ミロブロが言う通り、まるでレイブ自身の存在が現世から消え失せてしまった様な…… だが、この時点より遥か先の未来で、私、観察者を訪ねて自らゼムガレを渡したのは他ならぬレイブ自身だ、それは間違い無き事実なのだ…… まるでちんぷんかんぷん、ワケワカメの極地、それが私の偽らざる本音なのである。

 ああ、不安だ! 全能感が消え去って行く……

 そんな風に感じてどーでも良い駄弁に時を費やしていたが、まさかミロブロみたいな馬鹿共の観察で突破口が見出せるとはな~、良しっ! 引き続きこいつ等を観察するとしようっ♪

 えっと…… おおっ、これがミロンの毛皮! んでこっちがブロルの犬歯、だったな! どれどれぇ?

――――ちっ、パダンパの野郎…… 馬鹿の癖に偉そうにしやがってぇ…… まあ、ここいらは奴のホーム、貧しくて可哀想で救い様が無い竜王の里だからな、仕方無いだろう…… にしてもぉ、存在の絆が切れる事がこれ程不安を助長させるとはな…… これまで無言だとしても我が君の存在を身近に感じられていた、それがこのミロンにとって如何に大きく安心な事であったか…… ピチャピチャ滴的な音だけだったあの暴君アガリアレプトとは比べるべくもない、立派で仕えるに余りある主君であった…… 失う等とても考えられぬ! あぁ、我が君! 御身は今いずこにっ!  

 ほぅ、なるほど、これがミロンの心中か…… 私、観察者自身新鮮な気分だ…… やはりここまでの脇役を主体にした観察や経験の機会が稀だったからだな…… この際だ、思う存分楽しんでみるか!

『じゃ死んだのかな? やっぱ消えるってそーゆー事なんじゃね?』

「いやいや、我が君に限ってそんなにやすやすと……」

――――ちちぃっ! 縁起でも無い事言ってんじゃねーぞ、この馬鹿野郎! 言い当てたらどーすんだよっ! まあ我が君位の大物になれば万が一お隠れになったとしても魂魄だけでその存在を感じさせて下される筈! 手前ぇーん所のサタンとは物が違うんだよ、物がっ!

 ふむ、それなりの信仰心は持ち合わせているらしいな、感心感心。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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