【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1369.性根
「やらないんじゃなくて出来ないんだよ」
返事をしたのは迎賓館の瓦礫の中から、自力で意識を取り戻したらしいレイブの声だった。
見ていると倒れた姿勢のままで両足を高く上げて勢いを付け、ネックスプリング、所謂跳ね起きで立ち上がっている。
思ったよりもダメージは無いみたいだな、良かった。
あっ、そのまま左に数歩進んでからパタリと倒れた、やっぱり駄目だったみたいだ。
その後も数回立ち上がっては倒れ、跳ね起きてはもんどりを打ったりした結果、諦めたのか四つん這いのまま何とか元々座っていた席辺りに帰り着いたが、その時には息を切らして汗だくと言うほうほうの体丸出しとなっていた。
「レイブ、アンタ大丈夫?」
「ああ、隙をつかれたとは言えまともに貰っちまったからな…… まあ大丈夫だろ、それにしてもガト、お前強くなってるじゃないか! 速度も申し分なかったし、結構成長してるんだな」
言いながらニッコリ笑ってサムズアップしているレイブは両の鼻の穴から夥しく出血中だ。
で無くとも完膚なきまでに叩きのめされた相手を上からっぽく褒めるとは恥ずかしい事この上無いだろ? だせぇ。
『回復』
今にも失血死しそうなレイブはペトラの優しさで窮地を脱した。
正視に耐えない有様の無様な幼馴染の姿を見ないようにしながらガトの声が続く。
「巨人になれないって一体どうしたのよ?」
対するレイブはガトの横顔を真っ直ぐに見据えながら真剣な表情だ。
止まったばかりの鼻血を拭うこともせずに顔半分を真っ赤にしながら答える。
「さあな、小さな頃、魔解施術を受けた影響じゃないか? 兎に角出来なくなっちまったんだよ」
「そうなの……」
短く答えながらガトは心中で唸った。
――――取り敢えず鼻血を拭きなさいよ、汚いなーもー
と。
「世話になったばかりの頃な、師匠から飯抜きって言われてさ、ひもじくて辛かったんだよな…… それで夜中に寝入っている所を踏み殺してやろうと思ったんだけど巨人化出来なくてさ、逆に折檻くらっちまったよ、ははは」
どこか自嘲気味な顔で言ったレイブに対してギレスラも思った。
――――巨人化出来ていたらバストロ師匠を殺してるって事じゃないか! ってか飯抜きって嘘吐いた時の罰だったろ…… 全部レイブが悪いだけの話なのだが、一体どこら辺が笑えると言うのか?
と。
「そんな事があってからは自分のやり方が随分変わっちまったんだと思う…… いつも猛毒のラタトゥスクの糞やトリカブトなんか持ち歩いちゃったりしてさ、ははは、おかしいだろ?」
ペトラは戦慄を押し隠しながら思った。
――――おかしい、ってか異常者だわ…… それに堂々と自分語りっぽく話せる辺りは完全に狂っているわね、未遂とは言え自分の凶行をでしょ? いかれてるわ……
と。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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