【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1547.ウータン
文句を言われた当人、レイブは悪びれた風でもなくいつも通りの気楽な感じで答える、なんだよこの○○○野郎めっ!
「あ、掠っちゃたか! じゃあ俺と一緒にぺトラに治して貰うか、良しっ行くかっ!」
「もうっ、髪は女の命なんだからねっ! 全くぅ」
言葉と裏腹に、彼女はレイブに走り寄り、さも嬉しそうに手を引くと先行して歩き出している。
集団の先頭を任されているペトラ&ガトの元へ向かう気らしい。
レイブは照れてでもいるのか狼狽したような声を出す。
「お、おい、あんまり引っ張るなよ! おいっ、待ってくれよ」
ウータンな彼女は屈託無い声を弾ませる。
「もうなによ先生! ほら急いで急いで♪」
「いや、鼻骨とか頬骨とか砕けた箇所が剥離したら治らないだろ? 欠損扱いになったらペトラの『回復』じゃあさ、なっ?」
「あっ、ご、ごめんなさい」
「いいさ! あっ…… ヤバい、前歯全体がグラグラして、左の眼球も…… これって抜けたらもう生えて来ないよな? やっぱ……」
「せ、先生! ゆっくり向いましょっ! ねっ、そーっとそーっと」
「ああ、面倒掛けちゃってすまないな」
違ったらしい…… 照れているのではなく冷静な分析に基づく判断だったようだ、治るといいな、グッドラックと言っておこう。
改めて見てみれば全身の前半分、特に顔面周辺に少なくない数の裂傷を負っている事が一目瞭然だったな、私ともあろう者がうっかりしていたようだ、とんだうっかり、テヘペロである。
しかし、なるほど、礫はそこらにある感じの自然石だった様だが、観察前に結構直撃していただろう事が肉体の破損具合から察せられる。
と言う事は、私が観察し始めたタイミングがピッタリ初めての成功回で、それ以外はグレコローマン地域の罪人ばりに石礫攻撃をその身に受け続けていたのではないだろうか?
私がその場にいれば『よかろう、ではこれまで罪を犯したことの無い者だけが彼に石を投げなさい』位のこ洒落た言葉の一つも言って止められたのだが、いかんせん、いつも通り観察は一方通行なのだ、うーむ無念だ。
ナメクジやカタツムリみたいにゆーっくり離れていく逆モヒカンなウータンと重症のレイブを心配そうに見つめる、こちらは無事だったウータン達が後を追おうとするのを引きとめる声が一つ。
「私が一緒に行くから皆は休んでいると良い、なにきっと大丈夫さ、心配いらないよ」
「「「「「はい」」」」」
猿っぽい彼女達の返事を笑顔で受けて、颯爽と走り出す背中に向けていくつかの囁きが交わされる。
「ねえ、最近の彼ってさっ、ちょっと、アレじゃない?」
「ね、クールだよね」
「眩しみ増量中ってとこだぬ」
「うむ、てぇーてぇーなー、ところで、あり?」
「無論ありぞ」
「んでもヘビッポイよ? 舌も長いしさ」
「下も? き、貴様、見たのかっ!」
「すわっ! エロかっ? エロなのかっ?」
「ち、違げーよ! ベロだよベーロ」
「んだベロか……」
「エロだな! エロ継続中ぞなっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡