【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1755.日勤
やり過ぎでは? そんな風味で固まったレイブの耳に快活な重低音が届く。
「はははっ、人手でしたら充分ですよ? レイブ様、どうか私達もお忘れなく」
「お? ブラチだったか? 確かボボイ族のリーダーだったよな!」
「ボイイ族です」
「だよな! お前等も手伝ってくれるのか?」
「勿論! 皆お役に立とうと張り切っています」
「おおっ!」
ブラチが言った通り、彼に続いてワラワラと坑道から出て来た一団が、早速大量の獲物を運び始めている。
昨日の宣言通り、新たな群れで自分達の有用性を示そうとしているのだろう、集団に分かれて先を争う様に肉の切り分け作業に没頭し始めていた。
一部、質素なチュニックの二団は互いに石をぶつけあったり足を引っ掛けあったり子供の様な嫌がらせを続けていたが、恐らくコイツ等はオルティガ率いるオルテニア人とムルトヴァ配下のムンテニア人の群れなのだろう、地味だが心底からの長い因縁の存在を感じる。
坑道から姿を表した女性のマナナンガルが彼等を大声で叱咤する。
「恥ずかしい真似は慎みなさい! 争うならば干し肉の品質と嵩で競えば良いのです!」
一喝された瞬間、争い合っていた双方が慌てて作業に集中し始めた。
レイブの腕に抱き付いていたガトは感心したらしく素直な感想を口にする。
「凄いわね、あの女の人」
レイブは相変わらず膨らみを楽しみながら返す。
「ああ、あれがこの坑道中の日勤担当のヴァンパイア、マナナンガル達のリーダー、マナナンガルのマナナンガルさんだよ」
固有名詞と種族名が同じとか…… あれかな? 吸血って名前に興味や拘りが無くなる効果とかあるのだろうか? 副作用的に。
ガトは呼び難さだとかそーゆー今後の付き合いには一切戸惑いを感じていない風味で返す。
「そう、マナナンガルのリーダー、マナナンガルのマナナンガルさん、ううん、親しみを込めてマナナンガルちゃんって呼ぼうかな? そうね、マナナンガルのマナナンガルちゃんで良いわね♪ ……あれ? でもあの人…… どこかで会った様な……」
うん、昨夜の鍋だね、美味しそうに食べてたじゃん。
「気のせいだろ? 良く見るタイプだしな」
「そう? あっ、横にいる男の人! 彼にも見覚えが…… 誰だったかしら?」
マナナンガルの横から現れたのはゴシショだ。
こっちは昨日のおやつ位の時間、レイブ達にお手本で齧って見せたお友達である。
思い出せないのか首を傾げて考えているガト、食べ物として認知した顔を覚える事は結構難しいらしい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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