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【1916話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

1916.ドラゴンは止まった

 パダンパは畳み掛ける。

『なるほどぉ、んじゃ親父、ドラゴンは? この里で求道に勤しむドラゴンだったら? やっぱり騙されちゃうかなぁ~?』

 ザワザワザ…… ピクッ

 小声で話していたドラゴンが無音になった。
 それを待っていたかの様にレオニードはシンプルかつ明朗に答える。

『ドラゴンなら尚更さぁ! あんな演技に騙される、ましてや怒り出す馬鹿なんている訳ないだろうよ!』

『そりゃそっか♪ んな馬鹿ドラゴンじゃ無いもんなぁ!』

 ……………………

 多分に芝居掛かったセリフながらも効果は抜群、最早口をきこうともしていないドラゴン達は、襲い掛かろうとして無理やり止めた、不自然極まりないポージングでピタリと動きすら制止したまま微動だにしていない、凄いぞドラゴン。

 ある者は片方の指先だけ、所謂いわゆるつま先立ちでプルプルしながら止まり、またある者は口中に発し掛けた灼熱のブレスに自身の上顎を炙らせつつ嗚咽を耐える始末…… とことん馬鹿ドラゴンにはなりたくないんだなぁ、そう感じざるを得ない状況であったのだ、独特な矜持きょうじを感じる。

 殺る気スイッチが過剰気味だった黒猪が吠える、直前の親子渾身の演技はガンガンに無視だ。

『何よっ! 今更イモ引くのぉっ! 掛かって来いやぁーっ! ブヒヒィーッ!』

 飛べない、ブレスも出せない、所謂いわゆる、役立たずに成り下がった、いや、元々の称号だった紅き竜が馬鹿な妹を諭す様だ。

『いやペトラよ…… 今回ばかりはあの親子の機転に救われたであろ? 我が闘えない今、此方の戦力は常の半分…… いやもっと少ない事は火を見るより明らか、であろうが…… ここは闘いが一旦回避出来た事を僥倖ぎょうこうとして今後、つまり未来に心砕くが肝要なのだ、判るであろ? ほこを、いや、その突き出した鼻を収めるのだ、良いな?』

 なるほど、誤解から生じてしまったこの事態…… まあレイブが考え無しに手を出して始まった混沌を修めるには好機、そう言いたいのだろう。

 諭されたペトラは答える。

『良い? はぁっ? 何言ってんの! ギレスラお兄ちゃんっ、まさかヒヨったんじゃないでしょうねっ!』

 うん、日和ったは体制側に鞍替えする、所謂いわゆる、宗旨替えを表す言葉なのでこれはペトラの誤用である。

 日、つまり、皆さんの多くがお住みであろう日本、その時々で体制を象徴する権力を指す表現なのだ。
 日和見、これは自分達以外の勢力がどれっ位体制迎合に動いたか、その観測によって今後の方針を決めよう、そんな戦略的な見地による未来予想を伴う、ある種、大変クレバーな行動に対して使われるべきなのである。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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