【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1526.一撃
『お、おおっ! あれはパダンパっ!』
ギレスラの言葉通り、レイブの前から二、三歩進んだ場所に倒れ込みながら姿を顕したのは涎を流して昏倒するキャス・パダンパの姿である。
湿地模様が消えた先には全体を現した大岩が見えたが、どうやら微妙に震えているらしい。
レイブは大岩に低い声で搾り出す様に告げる。
「こいつがパダンパの『琥珀』、それでそいつがお前の『全身鎧』って訳か、如何にも頑丈そうじゃないかぁー、なるほどなるほど…… おい、ダダ坊、それで俺の攻撃から身を守れる、そう思ったって事なんだよな? あはは、だよな! 何しろ素でも一万超えの防御力なんだもんな、お前って! 悪魔直伝のスキルプラスだとどれ位に強化されるか見当もつかないもんなー? あははは、なはは…… お前さ…… あんまり俺等を舐めるなよ、おい?」
ビックッ! カタカタカタカタ……
大岩は傍目にもはっきり、岩じゃない! そう判るほど小刻みな震えのビートを刻み始めている。
しかし、依然無言のままでいる姿を暫らく眺めたレイブは溜息に続けて言う。
「はぁー、判ったよ、仕方無いなー、死ぬなよ? 『抉り角』!」
オックスの形態模写でホーンと来れば角による攻撃である事は一目瞭然、判り易い。
因みにだがヘラジカやトナカイの仲間が持つ枝状の角はホーンでなくアントラー、レイブが使う場合は『抑止角』とか呼んで両手の五指を開き鉤状にして叩きつけたりする。
今回の場合はホーン、つまり枝分かれせずに生え変わりもしない二本角、でゴージ、峡谷や地殻変動が顕著な断崖なんかを指す言葉に、抉る、と当てていることを見れば……
仁王立ちから半歩踏み出したレイブは同時に体を僅かに沈め、淀み無い動作で右のボディアッパーを岩の下方から突き上げる様に叩き込んだ。
猪の体で表現すれば左脇から胸の中央に向けて一直線に叩き込んだのである。
別の言い方であれば、外バラ前部から肩ロースややネックよりに向けての一撃を喰らわした事になる。
『ブ、ブピッ……』
グラァ ズッドーンッ!
心臓震盪、所謂心室細動の不整脈が継続中なのだろう。
四肢を投げ出し頭から地面に倒れ込んだダソス・ダロスは見るからに全身虚脱の状態でどうやら呼吸もしていないらしい。
岩の様にガチガチだった肌もいつも通りのブタ皮の質感だ、スキルも解けてしまった様だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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