【2147話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2147.目覚め
漸く父性に目覚めたのかレオニードの声音は震えを含んでいる。
『ちょ、何とかしてよ』
『何とかって…… 『完全回復』以上のスキルは無いし……』
『えぇー! でも治って無いじゃん!』
『うーん……』
『診察』で健康、しかも『完全回復』済み、これ以上どうしろと? 思い悩むペトラの横からラマスが口を挟む。
「ねぇペトラ、試しにラマスも『回復』掛けてみよっか? 効くかもじゃない? ほら、相性とかあるのかもしれないし? ねっ?」
ギレスラの反応速度は瞬未満だ。
『いやラマスお前…… パダンパまでエバンガみたいにする気なのか……』
なるほど…… 既に鹿でない事は折込み済な訳か。
親父も続く。
『勘弁してよ! 独りっきりの息子なんだよ? 頼むよ!』
エバンガの立場。
「それじゃ他に良案とかあるの?」
『いや、まあ、今の所…… 無いのだ……』
『ちょっ! 諦めないでよ、ギレスラ君っ!』
このやりとりに本人も察したのか、心なしかエンジン音がくぐもって来ている。
カタボラは驚愕を浮かべて聞く。
『ね、ねえ待ってよ! エバンガ、みたいって何? エバンガどうかしちゃったの?』
おいマジか…… 機能の変化はともかく、見た目すら気が付かないってそれはそれで大問題だぞ?
一同が変な緊張感に包まれつつ顔を見合わせる中、スリーマンセルメンバーであるラマスが返す、係りさん的な自覚があるのかも知れない。
「良いじゃんカタボラ、どんな風になっちゃったってラマス達の仲間だった事は変わらないんだから」
『だった? 過去形なの?』
『プァ……』
「確かに今のエバンガはかつての彼女とは違う…… 既に血も通わぬ単なる機械に過ぎないし生物としての温もりや心なんて取り戻しようも無いわ…… でもそのお蔭で彼女は強くなれたの! 見て、こんなに沢山の荷物を背負った勇姿をっ! 信じられる? これがあのズボラでだらしなく何事にも無気力だったあのエバンガの姿なのよっ!」
『プ…………』
『そっか…… そうだね! その方がエバンガも幸せだもんね』
「そうよ♪ これからエバンガは皆から愛される便利な道具として長ーく利用され続けるんだから♪ 幸せに決まっているじゃない♪」
『プ…… プゥ……』
『あれ? じゃあ何でレオニードさんは嫌がっているんだろう? 自分の子供も立派で役に立つってのに…… どうして?』
「さあ、どうしてかな? 聞いてみましょ! ねえ、何で?」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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