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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1718.赤子のうちは七国七里の者に似る


 サタナキアはバアルの振りをしながら気分良さそうに続ける。

「ま、取り敢えずここ、奥さんの事はアタシ、じゃなかった、妾に任せて置きなさい! ってか任せて置いてよ!」

 うん、付け焼刃にしては上出来だ、似てる似てる。

「あっ! ちょっと」

「す、少しお待ちくださいー」

 寝台に歩み出すサタナキアに猫とドブネズミは何故か慌てている、ってかお前等語尾はどーした?

「何よ? 妾に何かある訳? いや、あるのかい? 妾、引き止められるなんて妾、心外だよ妾! 妾心外、心外妾!」

 いや、そこまでやるとちょっとワザとらしいし逆に偽者臭がさ、まあ偽者なんだけどさ。

「お、お待ちをバアル様シーン! 今、少し不測の事態中でしてぇシーン」

 なっ、まさか霧のオノマトペ、なのか? ヴラド、お前、結構独特な感性じゃないかっ!

「妾は待たない妾、それよりアンタ霧ならシンシンじゃないの妾? 何よシーンって、妾」

 お前の妾もそんな感じになっちゃってるぞ。

「いやシンシンは雪じゃありませんかシーン? 霧ですよ霧シーン」

 じゃあもう無理に付け足さなくても良いんじゃないかな?

「ま、どーでも良いわ! どれどれ?」

 そしてすぐ飽きる、流石は悪の中の悪。
 擬音の可否を投げ掛けた隙に寝台に近付いていたとは恐るべき知恵者ぶりではないか。

「はっ! し、しまったシーン!」

「あーニャーン」

「怒られるでチュー」

 コイツ等本当は焦って無いだろ……

 語尾にすっかり飽きたサタナキアは素っ頓狂な声を出す。

「何よ、誰もいないじゃないのよ! 奥さんは? どこよ?」

「じ、実は…… ニャー……」

 なんと、覗き込んだベッドの中はもぬけの空であった。
 問い質したサタナキアの声に、猫ネズミ霧はオドオドしながらぽつりぽつりと、いいやニャンニャン、チューチュー、シーンシーンと語り始めた。

 それによれば、この日ヨハン夫人はいよいよヤバい状況に追いやられていたらしい。
 朝餉あさげに一口も食べないのみならず、いつもであれば何度も訴える喉の渇きすら言葉にする事が無かったそうだ。
 口も利かず只苦しそうに呻く奥方を心配した三者は寝台に近付いて必死に声を掛け続け励まし続けたと言う。

 まあ、コイツ等のお陰で奥方からは見る見る生気が失われていったらしい、そりゃそうだろう、だって原因だからな。
 更に屋敷中から見舞いに集まってきたブルーカの群れ達にカーミラが仲良くしている街中の野良猫達、こいつ等の雑菌も容態の悪化に拍車を掛けてしまったと思われる。

 リーダー的な猫のカーミラは思ったそうだ。

――――やべえ、死んじゃうじゃん

と。

 そして狼狽した彼女の目の前では力強く頷く仲間、ブルーカとヴラドの視線が何かを求めていたのである。

――――な、何? 何を求めているのよ二人とも…… 判らないわ…… ええいっ、顔に出すなら口に出しなさいよっ!

 お前もな…… 今ソレ聞けば一発で解決しただろうに……

 しかし、兎に角自問自答で解決策を捻り出そうと必死こいたカーミラは一つの答えに辿り着いたそうだ。
 で、例の如く無言のままで仲間達の顔を見返すと。
 再び力強く頷き返すネズミと霧。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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