【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1736.安定の暴君
褒められてご満悦なジャンヌっぽい悪魔にジル・ド・レっぽい悪魔が言葉を続ける。
「で、我が君、恩知らず共は放置しておくとしてですね、この街の有り様を如何に思われます?」
「うん、どうやら悪魔はいないみたいだよね、そこら中に魔力の残滓が感じられるけどさぁ、これってぇ?」
「はい、仰る通りでございます」
「だよね」
二柱の声にラ・イルっぽい次男坊が口を挟む。
「え、何です?」
五百年前から余り成長してはいないらしい、残念至極。
ジル・ド・レは父親として黙ってはいられない、まあ、ラ・イルとジル・ド・レでは無く中身の方限定の関係なのだが……
「ええい、お前と言う奴はっ! この街に溢れている魔力にも気が付けないのかっ!」
「い、いいえ、そこかしこに魔力は感じていますけどぉ、あのぉ…… それが?」
相変わらずの鈍さに相変わらず目を吊り上げる親父である。
「全っくっ! いつまで経っても使えない奴だ! こんな事ならハンニバルを連れて来るんだったわ! そもそもお前は覚悟と言う物が――――」
「まあまあ、ハシュドゥルはまだ若いんだから仕方無いだろ、ねえ、幾つだったっけ?」
「あ、丁度七百歳です」
「ほら、まだ若いじゃん! 怒っちゃ駄目だよハミルカ…… ジル・ド・レ!」
「我が君…… 私と七つしか違いませんけど?」
悪魔になってから、つまり死んでから数えればそんな物だろう。
しかしバアルは見た目のジャンヌ同様、頑固さには定評がある、負けない。
「だからっ! 親なんだから子の成長を暖かく見ろとかそーゆー事っ! 圧迫とか強要とかじゃ伸びる悪魔も伸びないっ、妾はそー言ってるんだよっ!」
「はあ……」
「大体若いとか年寄りとか関係無いだろっ!」
「すみません……」
自分から年齢について言及した癖に、つくづく理不尽だなコイツ。
説教をしていた父親が一転大目玉となり、俄然元気を取り戻したハスドルバルは明るい表情だ、コイツはコイツで中々の性格をしていると見える。
「で、我が君、ここらの魔力が何なんです? 教えて下さいよ」
「は?」
気さくな言い口が癇に障ったのか、はたまたハミルカルを怒っていたテンションから抜け出せていないだけかは定かでは無いが、明確に不機嫌そうな表情でハスドルバルを見るバアルの瞳はゴミに向けるソレであった。
「何だよ、まだ判っていないのか…… 全く、使えない奴だな! あーあ、ハンニバルを連れてくれば良かったかぁー、ねえハミルカル、アンタの息子だけどさっ、ちょっと責任感とか自覚とかがさっ、欠落してるんじゃないかなっ?」
「えっ、は、はい、すみません」
だから俺がさっき言い掛けた言葉だろソレっ、そう思っても言え無いハミルカル、宮仕えは今も昔も辛く厳しい立場なのだ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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