【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1518.メッセンジャー
「眠そうだな、少し寝るか?」
繰り返している欠伸に目を留めたレイブの声にグログロは顔を振りつつ答える。
『ううん大丈夫でち、ちょれよりレイブお師匠ちゃま、この岩って大事でつ?』
「ん? いや、その岩だったら偶然ここにあっただけだぞ、別に俺達のじゃないし大事では無いな」
『そうでつか♪ じゃあ早速』
「お? おう」
質問の真意も判らないままで思った通り答えたレイブの前で、グログロは腹這いに寝転がったまま横にある巨大な花崗岩に対して牙を剥いて齧り付いたのである。
「おっ、おまっ! 何をっ?」
『ガアァッガアアアッ!』 ガリガリガリガリッ!
『お、おい、歯が…… 大丈夫なのか?』
驚いて声を掛けたレイブとギレスラの目を気にするでもなく、牙を突き立て臼歯でガジガジやり始めたグログロは、あっと言う間に岩の表面を削り取ると両手の爪も使って残った内核をもバラバラのボロボロに砕き切ってしまったのだ。
大体レイブの身長位、二メートル近くあった花崗岩は既に砕石の山へと姿を変えている。
グログロは唖然として少し戦慄気味なレイブに向き直って言う。
『レイブ師匠、ギレスラ師匠、弟子グログロが改めてご挨拶申し上げます』
言葉だけでなくピチっと直立して丁寧なお辞儀をしてみせるグログロにレイブとギレスラは驚愕しながら声を返す。
「お、おう、って急にどうした?」
『後肢がプルプルしてるし、話し方、何故に?』
『話し方? ああ、私の言葉、これですか、あはははっ、なるほど、うんっ、なるほど』
何やら独りで納得しているクズリに対して師匠組は驚愕したままである。
後肢での直立はやっぱり無理があったのか、頷きながらさり気無く四足に戻ったグログロの発言は続く。
『私の歯や爪はすぐに伸びてしまいまして、適度に歯応えのある物で削らないといけないんですよ、ここまでの旅では柔らかい食べ物しか手に入らなかったもので、やや舌足らずになってしまった、そーゆー訳なんですよ、失礼いたしましたー、あははは』
歯応え? って岩だぞ、おい…… それに舌足らず云々じゃなくて語彙とか言い様自体がなんとなく変わっていると思うのだがぁ……
私、観察者と違い師匠達は細かな事は気にならないらしい。
「あ、それでか」
『ふむ、小さな口内炎でも話し難かったりするからな、納得したぞグログロよ』
『ご理解有難く…… とは言え、お師匠様達に伝言をお伝えするに際してあの様な拙い言葉では些か無礼に過ぎる、そー判断いたしまして牙を整えさせて頂きましたがぁ、大変見苦しいざまをお見せしまして、只々恥じ入るばかりでございます』
うーん、話し方、自体がなぁ……
『いやいや、事情を聞けば一々尤も、寧ろ我等に対する気配り、感心したくらいなのだ、な? レイブ』
「ああ、そうだな! で? 伝言を持って来たのか? シンディから、だよな?」
『はい、正格には我が友シンディを介して師姉、ラマス姉様からのご伝言です』
「おお、そっか♪ ラマスのなっ!」
『本当に上手く話せているのだ』
『恐縮です』
なるほどっ! 毎晩のレイブからの報告だけでは意志の疎通もままならない、そう判断したんだな!
流石はラマス。
まあそりゃそうか、内容は食事の事が中心だったし結構ミュートして聞き逃したりしていたもんな、考えてみれば当然だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡