【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1682.リターン
バアルは目を擦りながら言葉を続ける。
「で? お前はどうしたいんだよ? ハスドルバル?」
ちょっとウトウト仕掛けただけで出て来た目ヤニを取っている主に、ハスドルバルは真剣そのものの表情で真っ直ぐに答える。
「はい! 見事なダキアの願いはたった一つ、今回の原因となった娘の無事に他なりません! 実はバアル様が御出座しになる直前、俺の独断で、その…… 見逃すと約束をぉ……」
「したのかっ? この馬鹿者がっ! しかしお前如きが罪人や咎人、その郎党と交わした約束なんぞ何の意味も無いわっ!」
「は、はい! ですが――――」
「まだほざくかっ! ええぃっ、お前がこれ程の大馬鹿だったとはぁ! 我が君、愚かな倅をどうかお許しください! 二度と見逃せ等とふざけた事を申さぬ様、このハミルカルがしっかり再教育致しますので――――」
「何で? 妾は別に良いと思うけど? それ位、現場で判断出来る権限? 自由裁量の枠内なんじゃないのかな? どうだい、ハミルカル?」
「お見事な判断でございます、流石は我が君! 名裁きかと」
「えっ、親父殿も納得でっ?」
「当たり前だっ! それ位お前自身が判断すれば良いに決まっているでは無いかっ! 我が君にお聞かせする事もお耳汚しだろうがっ!」
「は、はい」
「いや、そこは妾的には結果でも良いからちゃんと聞かせては欲しいかな」
「ですよね、報告だけはちゃんとするのだ、そんな事、当たり前、常識であろうがっ! この馬鹿めっ!」
「え、あ、はい…… 報告は忘れません……」
「全く一々言わねば自分で判断も出来ないとは呆れた奴だなお前は…… バアル様、申し訳ありません」
「んー別に良いよ」
「ご寛大なお言葉、感謝致します、ほれお前もお礼を申し上げんか」
「ありがとうございます」
「良いさ、それよりさっきから妾って自分の事呼んでたんだけど気が付いてた?」
「無論です、素晴らしき一人称、このハミルカル感服の極みでございます、なっ倅よ!」
「え、あっ! はい、とても良かったです……」
「そっかそっか♪」
中々大変そうだが主目的は叶ったようだ、良かった。
主である魔神バアル直々の許しを得た事で話を進める気になったのか、それとも魔神と親父にこれ以上付き合っても仕方無いと見切りを付けたのかは定かでは無いが、ハスドルバルは一礼を残して立ち上がり、ずっと我慢強く待ってくれていたイザベラと七人のちびっ子に向けて言う。
「お待たせ、聞いた通り、バアル様、お前等の言葉ではゲベレイジス様の許しが降りたぞ! お前達が守りたかったそこのお嬢様は自由の身だ! とは言えだ、人里なんかに近付いたら大騒ぎだからな…… まあこの辺りには人の呼吸に適さない空気に満ちた洞窟なんかがそこらにあるからな! そんな場所でムカデやタイコウチみたいな地虫の体液でも啜って生きて行けば良いだろ」
「え、地虫…… 嫌だよ」
この期に及んで我が儘だ。
「嫌って言ってもなぁ」
「そうだわ! ベラ達も一緒に来てくれれば良いのじゃない? そうすれば獣や旅人とかもう少し食べ易い獲物を獲って来てくれるでしょ? ねっ、そうよね?」
「うーん、確かに…… まあ、上手くいくかは判りませんがお嬢様が仰るのでしたらぁ……」
馬鹿言え! 骨が旅人や獣、家畜なんか襲うだけでも立派なホラーだし、その上に君臨する洞窟の乙女、好ましいと思った相手を消耗させて亡者みたいにする呪いつきと来ればもうそれ化け物の話しじゃん。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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