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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1699.ビッグネーム


 そうこうしていると今度は配下の連中、ヨハン曰く『屋敷の主だった者』達が到着したらしく、サタナキアはドリンクチャンスを逃してしまう羽目となる。

 数人の部下を部屋に入れたヨハンは紹介を始めた。
 最初は家族、この時は評判通り子煩悩な愛妻家らしくこれまでよりデレた感じであった。

 妻だと紹介された女性は美しく柔和だったが、どこかわずらっているのか笑顔とは裏腹に青白くこけた頬がより強くサタナキアの印象に残った。
 両親に似て美しく聡明そうな子供達はただただ可愛らしかった。

 続いて自己紹介を促されたのは二人の貴族然とした男性である。
 年長の男はゼッセルマン、こちらは執事といった所か。
 もう一人の若い男は緊張した顔でシュトプリンガー家のセバスチャンと名乗ったが、やや神経質そうでどちらかと言うと家宰かさいよりも政治家の様な雰囲気を感じさせた。

 最後の一人はサタナキアが見知った人物である。
 他ならぬサタナキア自身が空腹から略奪に及んだ村からこの領都まで、ヨハンと共に彼女を警護してきた一団のリーダー、指揮官だったゴツイ兵士であり、名前をケリン、ヨハンの子供の一人、庶子のフリッツを生んだ女性の兄、つまり叔父に当たる関係だと紹介された。

 ほーん、複雑な家族関係だなぁ、そんな懸念は当たらない、四人の子供は分け隔てなく慈しまれている様だし外戚っぽい立ち位置のケリン氏も一兵士に専念しているのが明らかだ。
 この時代の貴族家には珍しい和気藹々わきあいあい家族、それがサタナキアが彼等に感じた第一印象であったし、これは私、観察者も同感である。

 屋敷には他にも大勢の兵士や使用人、ナースやメイド達が働いていたが、ヨハンの指示でサタナキアに接するのはこのメンバーだけに限定されたのだ。
 まあ、神の母とか呼んでいる位の特別扱いだ、心から信頼できる人物以外との接触を恐ろしく感じてしまうのも理解できる。

 その後に続いた話し合いで、サタナキアには屋敷の中で一番上等な客室を、猫のカーミラはヨハン夫人の居室が住いとしてあてがわれる事になった。
 こうしてサタナキアのクルムバッハでの悠々自適な日々はスタートしたのである。

 
 数週間後、屋敷の中庭で大の字に寝転び、空を見上げるサタナキアの表情は曇っていた。

「あーあ、上手くいかないわね全く」

 不機嫌の理由は既に述べた、帰依きえした領主や住民が短期的には手下として役に立ちそうも無い、その事に気が付いたからである。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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