【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1570.ドラゴンの子
そしていよいよネームド最後の一人がマナナンガルから告げられる。
「で、端にいるのがヴラドですね」
「…………え、えっとぉ、それだけ?」
「ええ、ヴラドです」
『こ、ここまでの仲間に比べて酷くあっさりしているのだな』
『名前だけだしねぇ、ね、ヴラド君には支配地とかは無いの?』
ギレスラの言葉通り、やけに簡潔な紹介で済ませたマナナンガルは首を傾げて見るからにうろおぼえな風情でペトラの問いに答える。
「しはいち? ですか…… えっとぉ、確かトランシルなんとか? ワラキ? トルコでしたっけ? うーん、確かそんな感じだったようなぁ? ねえ、ヴラド、その辺だったわよね?」
適当極まり無いなコリャ……
レイブ達スリーマンセルもそれぞれ怪訝な顔を浮かべている、統一した表現を探すとすれば、『おいおーいっ!』であろうか?
まあ、こんな感じで大して有名じゃなさそうで人数合わせの賑やかし要員っぽさ満載のヴラド君は、有名所代表なマナナンガルの問いに一応答えてくれるのである。
「ええ、出身はトランシルバニアで封じられた地で冠したのはワラキアの公、名は氏も姓も持たない只のヴラドと申しますが、周囲の者からは『串刺し公』ツェペシュと呼ばれていました」
あれ? これ若しかして……
「ほぉ、『串刺し公』ツェペシュってか? なんとも穏やかじゃないなぁ、お前ぇ」
「いやお恥ずかしい、我輩自身は只のヴラド三世としか名乗っていないのですがね、ははは、後は戯れにヴラド・ドラキュラなんて格好付けちゃっていた事なんかもあるにはあったんですけどね、うふふ」
『ドラキュラ? ドラクリアって、お前、ドラゴンの子供なのか? ニンゲンに見えるのだが?』
ギレスラの疑問にヴラド君はやや恥ずかしそうに返す。
「あ、いやいや! 戯れですってば! 父親のヴラド二世がハンガリー王から竜騎士団の団長に任じられたりしたんでその子供? 的な感じで、えへへへ! まあ所謂若気の至り、黒歴史みたいな感じなんですけどねー、てへへへへー」
おおやはり、滅茶苦茶有名なドラキュラ、ヴラド三世その人だったらしい。
にしても随分気さくで取っ付き易そうな人柄だね、マナナンガルの扱いもぞんざいだしなー、印象ガラッとだよ。
とは言え、着ている装束は黒のタイトなボトムスに純白のシャツ、ツヤ感がある黒マントと来ればイメージ的にはもろドラキュラ、ぴっちりと撫で付けられたオールバックに青白い顔色もホラー映画なんかで良く目にする吸血鬼そのものなのだが…… えっとぉ。
「こんな形してますけど、実際は中世のルーマニアで生きてたんですよ? でもこっち、十九世紀位の格好の方がそれっぽいって! 実は『真なる聖女』コユキさま直々のアドヴァイスでイメチェンしたんですよねー、えへへへ」
「あーそーなの」
『ふーんなのだ』
『まあよろしく頼むわね』
スリーマンセルの評価はイマイチの様だがそれも仕方あるまい、何しろコユキは勿論、ドラキュラ映画やラノベだって直接見た事ないんだからな…… 中世も十九世紀も区別なく大昔な訳だし。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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